【編集長の視点】サムティは年初来安値から7連騰、1Q好決算をテコに連続最高業績・増配を買い直し下げ過ぎ訂正

 サムティ<3244>(東1)は、前日25日に7円高の1099円と7営業日続伸して引け、今年4月13日につけた年初来安値1026円からの底上げを鮮明化した。今年4月7日に発表した今11月期第1四半期(2016年12月~2017年2月期、1Q)業績が、大幅続伸して着地して11月通期業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに割安修正買いが増勢となった。今期配当も連続増配と予想、配当利回りが、市場平均を大きく上回ることや、4月18日に発表した販売用不動産など7物件の売却もフォローの材料視されている。

■販売用不動産の売却、投資用マンションの販売などが続き1Q業績は高利益進捗

 今期1Qは、前年同期比56.7%増収、83.0%営業増益、2.47倍経常増益、2.92倍純益増益と大幅続伸し、11月通期業績に対する利益進捗率は、27%~35%と目安の25%を上回った。不動産事業では、自社ブランドの「S-RESIDENCE淀屋橋」、収益マンションの「サムティ新大阪notos」、「イタニティイハラ」、商業施設の「オークタウン貝塚」を売却し、投資用マンションでは「サムティ京都西大路」、「サムティ本町橋ⅡMEDIUS」など320戸を販売、不動産賃貸事業では、賃料収入の増加に向け営業エリアの拡大と収益不動産の仕入を強化し、「サムティ宮の沢」、「サムティレジデンス湘南茅ヶ崎」などを取得したことなどが寄与した。

 今11月期通期業績は、期初予想に変更はなく売り上げ612億円(前期比16.8%増)、営業利益93億円(同8.3%増)、経常利益72億円(同6.1%増)、純利益48億円(同3.7%増)と見込んで連続して過去最高を更新する。配当は、36円(前期実績33円)へ連続増配を予定している。

 なお4月18日に発表した販売用不動産と固定資産との7物件の売却は、売却価格については売却先との守秘義務のため公表しなかったが、販売用不動産では大阪市淀川区のオフィスビルなど5物件、固定資産では大阪市中央区のオフィスビルなど2物件となっている。

■25日線を上抜けPER5倍台、PBR0.8倍の割安修正の再発進に弾み

 株価は、英国のEU(欧州連合)離脱ショックで突っ込んだ昨年来安値892円から相次ぐ販売用不動産の売却、収益不動産の取得などの積極営業施策を評価して底上げ、今期業績の続伸予想と連続増配で年初来高値1198円まで買い進まれ、足元では地政学リスクや円高・ドル安などによる全般波乱相場が波及して年初来安値1026円まで突っ込んだ。同安値からは、25日移動平均線から大きく下方かい離し下げ過ぎとして底上げ、販売用不動産の売却もフォローして25日線水準まで引き戻した。PERは5倍台、PBRは0.8倍と割安で、配当利回りも3.27%と東証1部全銘柄平均の1.72%を大きく上回っており、年初来高値1198円、昨年1月高値1269円などを通過点にまず2015年12月高値1310円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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