【村山貢司の気象&経済歳時記】6月から気温が高く蒸し暑い夏に

 気象庁から5月から7月までの3か月予報が発表された。結論から言うと今年の夏は6月から気温が高く、蒸し暑い夏になりそうだ。夏にかけて異常気象の原因である、エルニーニョもラニーニャも発生する可能性が低いが、すでに南海上の太平洋高気圧はかなり強くなっており、早い時期から日本付近に張り出す見込みである。このために、高気圧の周辺から暖かい空気が流れ込みやすく、気温は早い時期から高めになると予想される。

 6月から7月にかけての気温予想は平年並みか平年より高い確率が80%である。平年の気温とは2010年までの30年間の平均値であり、東京や大阪などの大都市では30年前に比較するとおよそ1度気温が上昇している。このために気温が平年並みか高い確率が80%ということは、今年の夏も暑くなると解釈すべきであろう。

 昨年は上信越山岳の積雪が少なく水不足が懸念されたが、今年は例年並みの積雪があり、今後の雨量も平年並みかやや多くなりそうで、水不足の心配はないだろう。ただ、太平洋側の地方は西日本を中心に大雨になる可能性が高い。

 夏は暑ければ暑いほど景気が良いと昔から言われている。レジャーなどの人出は7月と8月の天候が大きく影響するが、夏物家電や夏物衣料は8月の影響は小さく、6月から暑くなるかどうかがポイントになる。この夏の場合6月から気温が高くなるために、夏物の出足は早めになる可能性が高い。(村山貢司=気象予報士・経済評論家)

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