【編集長の視点】富士ソフトSBは連続最高業績を手掛かりに内需割安株買いが再燃し反発

 富士ソフトサービスビューロ<富士ソフトSB、6188>(JQS)は、前日16日に3円高の986円と反発して引け、後場取引時間中には一時990円まで買い進まれ5月11日につけた年初来高値1009円を意識する動きを強めた。今年5月10日に発表した今2018年3月期業績が、連続の増収増益、過去最高更新と予想されていることを手掛かりに内需系の割安株買いが再燃した。テクニカル的にも、昨年3月の新規株式公開(IPO)以来の上値フシを払っており、IPO時につけた上場来高値1170円へのキャッチアップ期待を高めている。

――――受注した新規案件がフル稼働して積極的な先行人材投資費用をカバー――――

 同社の今2018年3月期業績は、前期業績が期初予想を上ぶれて着地し、純利益も4期ぶりに過去最高を更新したあとを受けて、売り上げ94億円(前期比10.0%増)、営業利益2億9000万円(同7.3%増)、経常利益2億9000万円(同2.0%増)、純利益2億1000万円(同0.2%増)と続伸し、過去最高を連続更新すると予想されている。昨年10月に受注した日本年金機構向けの事務センターにおける入力業務・共同処理委託業務の大型BPO(業務処理の外部受託)サービス事業がフル稼働するうえに、コールセンターサービス事業でも大型案件が続くことが要因で、この業務拡大に向けた新規センターの立ち上げ投資や幕張コンタクトセンターでの人員採用、研修費などの関連費用増を吸収する。

 今期に入っても新規案件の受注は続き、今年4月5日には国民健康保険中央会向けに介護・障害者事業所ヘルプデスク運営委託事業を受注し、人員の中途採用では、5月2日に事業規模拡大に対応してコールセンターのSV・センター長候補者やコンタクトセンターの採用コーディネーターなどを募集している。

――――IPO以来の上値フシを払いPER10倍台の割安修正で上場来高値へキャッチアップ――――

 株価は、3月期末の配当権利取りと割安修正買いとが相乗して946円高値まで上値を伸ばし、配当権利落ちと地政学リスクを懸念した全般波乱相場の波及で842円まで下ぶれ、昨年3月の新規株式公開(IPO)時の公開価格890円割れは下げ過ぎとしてリバウンドし、好決算発表とともに年初来高値1009円をつけ高値でスピード調整中である。PERはなお10倍台と割安であり、IPO以来の上値フシを払ったここからは、年初来高値を上抜き上場来高値1170円を目指す展開が有力となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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