【編集長の視点】船場は反落も今期1Qの低進捗率業績を織り込み内需系の割安株買いが再燃方向

 船場<6540>(東2)は、前日18日に17円安の1115円と反落して引けた。5月17日の米国株急落、前日の日経平均株価の261円の大幅安が波及して目先の利益を確定する売り物に押された。ただ下値には、今年5月12日に同社株が発表した今12月期第1四半期(2017年1月~3月期、1Q)業績が、今期第2四半期(2017年1月~6月期、2Q)累計業績に対してやや低調な進捗率を示したことは織り込み済みとして、期初予想通りに増収増益を見込んでいる今12月通期業績を見直し、内需系の割安株買いが交錯した。テクニカル的にも、今年2月以降の200円幅のボックス相場の下限まで下ぶれ下値を再確認したことで再騰期待を高めている。

■採用強化による人件費増もショッピングセンターなどの新改装受注が堅調

 1Q業績は、昨年12月19日の新規株式公開(IPO)以来、初の第1四半期決算発表のため前年同期比較はなく、売り上げ71億4400万円、営業利益3億3500万円、経常利益3億4700万円、純利益2億3100万円で着地し、期初予想の2Q累計業績に対する利益進捗率は、38%~42%と目安の50%をやや下回った。もともと2Q累計業績は、業容拡大に伴う積極的な採用強化による人員増や事務所拡張、OA機器投資、販促活動増加になどによる経費増などで増収減益を見込んでおり、1Q業績にこの負担増が早めに表面化した。ただ業績実態は、国内外の大型商業施設の川上の調査、分析から設計、施行、さらに川下の開業支援、管理・運営までを一貫してサポートするディスプレー事業で、ショッピングセンターなどの新改装に加え都市部の開発プロジェクトなどで堅調な受注を獲得するなど順調に推移していることを示しており、今期2Q累計業績、12月通期業績は、期初予想を据え置いた。

 このうち今12月通期業績は、売り上げ300億円(前期比8.6%増)、営業利益17億4000万円(同1.4%増)、経常利益17億4000万円(同1.1%増)、純利益11億3000万円(同3.0%増)と増益転換を予想、配当も35円(前期実績26円)と連続増配を予定している。なお同社は中期経営計画で、2019年12月期に売り上げ340億円、営業利益21億円の達成を業績目標としており、今期は、この順調な立ち上がりとなる見込みである。
 

■ボックス下限で下値を確認しPER9倍台の割安修正でまず最高値奪回を照準

 株価は、昨年12月のIPO時には公開価格1290円を下回る1193円で初値をつけたが、期末の配当権利取りで1280円まで持ち直し、配当権利落ち安値1055円からは前期業績の上方修正、前期配当の増配とともに窓を開けて上場来高値1294円まで急伸した。その後、3カ月半にわたり200円幅のボックス相場を続け、今期1Q決算発表ではこの下限を確認した。PERはわずか9倍台と割安放置となっており、まず最高値を照準にし、さらにボックス上放れから一段の上値チャレンジを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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