【業績でみる株価】8割減益だったカネ美食品はファミマの新体制に対応進み株価も出直り強める

■旧・サークルKサンクスとファミマ統合に関連しコスト急増

 カネ美食品<2669>(東JQS)は25日、10時30分にかけて3355円(15円高)をつけ、出直りを強めている。前期・2017年3月期の業績が営業利益、経常利益ともに前期比8割減だったため、このところの株価は調整基調が続くが、23日に決算説明会の資料をホームページにアップするなどで減益要因や今後の展望などが明らかになり、投資家心理として不透明感がかなり晴れてきたとの見方が出ている。

 前3月期は、売上高が前期比1.8%減だったのに対し営業利益は同じく84%減となり、純利益は前期の薬18億円から5億円の赤字に転換した。大幅減益の要因としては、売上高の50%を占めるファミリーマート(ユニー・ファミリーマート<8028>)向けの惣菜事業で大幅なコスト増加に見舞われたことがあるようだ。ファミリーマートと旧・サークルKサンクスとの統合・ブランド一本化にともない、商品の一新や生産・輸送体制の変更などが同時一斉に実施され、商品の廃棄ロスや新オペレーションへの体制構築などで「まるで新工場の立ち上げに匹敵するほど新たな負荷がかかった」(同社)という。意識的に販売を絞り売り上げを意図的に落としたという。

 こうしたコスト増加の影響はこの上期(17年4~9月)まで残る見通しとしたが、納品店舗数は15年3月期末の約5600店舗から17年3月期末には約9500店舗へと1.7倍に増加した。新オペレーションが本格的に起動に乗るのは下期からになるようだが、今期・18年3月期の業績見通しは、売上高を6.7%の増加、営業利益は同14.1%の増加などとし、純利益も2.3億円の黒字に回復するとしている。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■金融・医療・公共分野に特化した高精度処理、低コストで安全運用可能  NTT<9432>(東証プラ…
  2. ■ジャイアンツ球場隣接の221邸、シニアの健康・交流を支える新拠点に  フージャースホールディング…
  3. ■IT・スタートアップ中心に若手CEO台頭、経営のスピード化が進展  帝国データバンクは10月14…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る