【どう見るこの相場】基本は膠着感の強い展開だが、6月の米追加利上げを織り込みに行く可能性も

どう見るこの相場

■米5月雇用統計控えて膠着感

 今週5月29日~6月2日の株式市場は材料難の中、週末6月2日に米5月雇用統計発表を控えて、基本的には膠着感の強い展開が想定される。また北朝鮮を巡る地政学リスクが強まる可能性もありそうだ。ただし雇用統計発表に向けて6月の追加利上げを改めて織り込みに行く可能性もありそうだ。

 前週5月22日~26日は、為替が概ね1ドル=111円台後半で小動きだったことが安心感に繋がり、日経平均株価が週間で96円08銭上昇した。ただし週間での値幅は265円39銭にとどまり、膠着感の強い展開だった。

 今週もトランプ米大統領の「ロシアゲート」問題という政治リスク、さらに北朝鮮を巡る地政学リスクに対する警戒感がくすぶる状況に変化はない。そして週末6月2日に米5月雇用統計の発表を控えていることもあり、日経平均株価は引き続き膠着感の強い展開が想定される。また北朝鮮の相次ぐミサイル発射で地政学リスクが強まる可能性もありそうだ。

 基本的には6月13日~14日開催予定の米FOMC(連邦公開市場委員会)まで動き難い状況を想定するが、週末2日の米5月雇用統計の発表に向けて、週後半には米FRB(連邦準備制度理事会)の6月追加利上げを改めて織り込みに行く可能性もありそうだ。前哨戦となる6月1日発表の米ADP雇用リポートの内容が注目され、米長期金利の上昇、日米金利差の拡大で為替がドル高・円安方向に傾けば、日本株にとって押し上げ要因となりそうだ。

■個別物色継続だが、中小型株の一角にはやや買い疲れ感

 物色面では好業績・好材料、そして値動きの良い中小型株を中心とする個別物色が継続しそうだが、中小型株の一角にはやや過熱感、あるいは買い疲れ感も見え始めただけに注意しておきたい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■半導体パッケージの微細化に対応、LDI露光で1.0μm幅パターンを実現  旭化成<3407>(東…
  2. ■物流費やエネルギーコストの上昇受け、企業努力では限界  亀田製菓<2220>(東証プライム)は5…
  3. ■約100種類の実践講座で次世代エンジニアを育成  トヨタグループ5社は5月22日、AI・ソフトウ…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る