パートナーエージェントは戻り歩調、18年3月期大幅増収増益予想

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 パートナーエージェント<6181>(東マ)は婚活支援サービスや関連サービスを展開している。18年3月期は新システム「CONNECT-ship」停止の影響が一巡して大幅増収増益予想である。株価は戻り歩調だ。少子化対策という国策関連のテーマ性もあり、上値を試す展開が期待される。1月の年初来高値を突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。

■婚活支援サービス(パートナーエージェントサービス)を提供

 「本当に信頼できる結婚情報サービスを提供する結婚エージェント会社」を目指して、会員に結婚相手を紹介するパートナーエージェント事業、および関連サービスとして非会員向け低価格婚活サービスのファスト婚活事業、企業・自治体向け婚活支援サービスのソリューション事業、成婚退会会員向けライフサポートサービスのQOL(Quality of life)事業などを展開している。

 06年9月サービス開始から創業10年目となる16年2月に成婚会員数累計1万人の大台を達成している。また16年9月には女性の活躍推進における取り組みに関連して、優良な事業主として「えるぼし」の認定(最高位)を取得している。
■高いスキルを持ったコンシェルジュの活動支援で高成婚率を実現

 パートナーエージェント事業は、結婚を望む会員に対して情報の提供、お相手の紹介、出会いの機会の提供といった結婚に至るまでの一連の活動、いわゆる婚活支援サービスを提供している。

 1年以内を目途に結婚相手を見つけたい顧客に対して、高いコーチングスキルを持った専任コンシェルジュ(担当制)がPDCAサイクルに基づく活動支援を行う。データによるマッチングに加えて、コンシェルジュという人間を通して紹介することで同業他社との差別化を図るとともに、結果的に高い成婚率(年間成婚退会会員数÷年間平均在籍会員数)(17年3月期実績28.6%)の実現や、費用対効果の高いサービス提供に繋がっている。成婚率の全国平均は推計10%前後とされており、当社における成婚率は極めて高水準である。

 出会いの機会を提供するための会員向け各種イベント企画・運営も行っている。イベント専門スタッフが運営し、イベントスペースを自社店舗内に設けることで機動的な開催を可能にし、イベント会場を借りるための費用削減も図っている。また各種オプションサービス(有料の任意選択サービス)として、会員がアクセスできる特設ページに自分の顔写真やPR記事を掲載できる「MYPR」サービス、会員向け写真撮影会、各種セミナーなども提供している。

 サービス料金体系は登録料、初期費用、月会費、成婚料(成功報酬)、その他(イベント・セミナーへの参加費用、オプションサービス費用など)である。

■関連サービスも展開

 関連サービス事業としては、非会員向け低価格婚活サービスのファスト婚活事業、企業・自治体向け婚活支援サービスのソリューション事業、成婚退会会員向けライフサポートサービスのQOL事業を展開している。

 ファスト婚活事業は、低価格で気軽に始める婚活サービスと位置付けた非会員向けイベント事業として、非会員向け婚活パーティ「OTOCON」を企画・運営している。またオンライン婚活サービスとして、ヤフー<4689>運営の婚活ポータルサイト内で「Yohoo!婚活コンシェルプラン」を提供している。

 企業・自治体向け婚活支援サービスのソリューション事業は、システム開発・運用やコンサルティングサービスなどを提供し、システム提供に伴う初期費用や保守費用などが収入となる。16年9月には福島県の結婚支援事業にかかる包括的支援業務受託を発表した。福島県が運営する「ふくしま結婚・子育て応援センター」向けに当社開発の結婚支援システム「parms」をカスタマイズして提供する。システム稼働は19年1月予定である。この他に佐賀県、三重県、京都府などで受注実績がある。

 ライフサポートサービスのQOL事業は、成婚した退会会員向けに、結婚式場・保険・結婚関連アイテム販売事業者などを紹介・斡旋するサービス「アニバーサリークラブ」を提供している。

■中期成長に向けて新規事業も推進

 中期成長戦略としては、パートナーエージェント事業の強みを活かしながら多様な婚活ニーズに対応するため、4つの事業領域(パートナーエージェント事業、ファスト婚活事業、ソリューション事業、QOL事業)を強化するとともに、3つの新規事業(ファスト婚活事業における低価格婚活支援サービス「OTOCON MEMBERS婚活カウンター」、ソリューション事業における事業者間相互紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」、QOL事業における企業主導型保育施設)を推進する。

 ファスト婚活事業では、比較的低価格で利用できる婚活支援サービス「OTOCON MEMBERS婚活カウンター」を開始した。16年5月東京・新宿店と大阪・心斎橋店の2店舗(パートナーエージェント事業から業態転換)をオープンし、16年7月名古屋店、16年10月東京・銀座店、千葉・船橋店、16年11月東京・池袋店、17年4月名古屋・栄店をオープンした。

 ソリューション事業では16年10月、各事業者の所属会員の成婚率を一層高めて顧客満足度を向上させる取り組みとして、大手婚活支援事業者間の会員を相互紹介するプラットフォーム「CONNECT-ship」(コネクトシップ)サービスを発表した。相互紹介システムとして当社が開発・運用保守を行うプラットフォーム「CONNECT-ship」を利用し、システム利用料などが当社の収入となる。

 当社(運営サービス名:パートナーエージェント、OTOCON MEMBERS婚活カウンター)、日本仲人連盟(日本仲人連盟)、日本シニアーライフ(マリックス)、リクルートマーケティングパートナーズ(ゼクシィ縁結び)、西日本における最大級の加盟結婚相談所数を誇るJBA(一般社団法人日本結婚相談協会)、人材総合サービス大手エン・ジャパングループのエン婚活(エン婚活)の6社・7サービスが参加して会員を相互紹介する。利用会員数は最大5万人規模となる。

 また17年1月にはベネフィット・ワン<2412>の福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」会員780万人を対象として、オンライン型婚活支援サービス「ichie(いちえ)」を提供開始、歯愛メディカル(Ciメディカル)<3540>との共同事業で「Ciモール」登録ユーザー向けにオンライン婚活支援サービス「Ciしあわせエージェント」を提供開始した。17年3月には結婚情報誌「ゼクシィ」を運営するリクルートマーケティングパートナーズと業務提携した。

 QOL事業では内閣府が推進する企業主導型保育施設を展開する。社員の福利厚生も兼ねて、地域と連携して保育環境の改善を目指す。16年7月に「めばえ保育ルーム三鷹台」を開園した。さらに17年7月亀戸、17年11月芦花公園、17年11月春日、18年1月千歳船橋、18年3月6園目となる用賀を開園予定である。

■17年3月期は新システム一時停止の影響で大幅減益

 5月12日発表した前期(17年3月期)連結業績は、売上高が前々期(16年3月期)比4.6%増の38億12百万円だが、営業利益が同54.1%減の2億04百万円、経常利益が同51.2%減の2億12百万円、純利益が同62.4%減の1億07百万円だった。

 前々期計上の大型コンサルティング案件の反動、新システム「CONNECT-ship」一時停止の影響で大幅減益だったが、こうした一時的要因を除けば順調である。

 パートナーエージェント事業の新規入会数は8663名で同4.6%減少したが、在籍会員数は同1.7%増の1万2193名で過去最高となった。成婚率は同1.4ポイント上昇して過去最高の28.6%となった。ファスト婚活事業のOTOCONパーティ延べ参加者数は同2.1倍の13万6491名と大幅伸長し、在籍会員数は同43.2%増の1666名となった。なお期末店舗数はパートナーエージェント事業25店舗、ファスト婚活事業20店舗となった。
 
 売上総利益は同1.0%増加したが、売上総利益率は60.6%で同2.2ポイント低下した。販管費は同14.4%増加し、販管費比率は55.3%で同4.8ポイント上昇した。ROEは14.8%で同48.4ポイント低下した。自己資本比率は29.1%で同11.3ポイント低下した。配当は無配を継続した。
 
 新システム「CONNECT-ship」一時停止の影響は、会員が通常どおりシステムを利用できなかったため、17年1月分の月会費請求取り止めによる一時的な売上減少(1億84百万円)が発生した。また新システムを利用する提携先企業の会員に対する月会費について、提携先企業に対する売上補填金53百万円を特別損失に計上した。なお旧システムを再稼働させてサービスは従来どおり提供しているため、月会費請求取り止めは17年1月分だけの一時的要因である。

 四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期9億73百万円、第2四半期10億18百万円、第3四半期9億73百万円、第4四半期8億48百万円、営業利益は1億13百万円、1億21百万円、79百万円、1億09百万円の赤字だった。

■18年3月期は新システム停止の影響が一巡して大幅増収増益予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月12日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比22.0%増の46億49百万円、営業利益が同98.1%増の4億05百万円、経常利益が同2.4倍の5億01百万円、純利益が同3.3倍の3億55百万円としている。

 新システム「CONNECT-ship」を17年6月中に再稼働し、前期発生した一時停止の影響が一巡して大幅増収増益予想である。なおファスト婚活事業のOTOCONパーティ延べ参加者数は同55.8%増の21万2779名、在籍会員数は同43.2%増の2386名を見込んでいる。新規出店はパートナーエージェント事業8店舗、ファスト婚活事業8店舗の計画である。配当については将来に向けた投資を行っている段階のため無配を継続する。

■株主優待制度は毎年9月末に実施

 株主優待制度は毎年9月末日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として、自社サービス割引利用優待(詳細は会社HP参照)を贈呈する。

■株価は調整一巡して戻り歩調、上げ足速める可能性

 株価の動き(17年1月1日付で株式3分割)を見ると、4月の直近安値460円から切り返して600円台を回復している。調整一巡して戻り歩調だ。

 5月29日の終値601円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS37円80銭で算出)は15~16倍近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS70円05銭で算出)は8.6倍近辺である。時価総額は約59億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して基調転換を確認した形だ。少子化対策という国策関連のテーマ性もあり、上値を試す展開が期待される。1月の年初来高値690円を突破すれば上げ足を速める可能性がありそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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