【編集長の視点】ホットランドは1Q好決算を手掛かりに通期12月期業績の上ぶれ期待を高めて続伸

 ホットランド<3196>(東1)は、前日1日に3円高の1570円と小幅続伸して引け、5月29日につけた年初来高値1610円を意識する動きを強めた。今年5月15日に発表した今12月期1月~3月期(第1四半期、1Q)決算が、増益転換して着地し、12月通期業績に対して高利益進捗率を示したことから、通期業績の上ぶれ期待を高めて買い増勢となった。国内中堅証券が、1Q好決算を受けて同社の投資判断を「強気」に引き上げ、目標株価もアップさせたことも、フォローの材料となっている。

■「銀だこハイボール酒場」などを積極出店し期間限定商品も相次ぎ発売

 同社の今期1Q決算は、売り上げが前年同期比3.2%増収と続伸するとともに、営業利益は同6.7%増益、経常利益は同25.1%増益、純利益は同23.1%増益とそれぞれ増益転換し、期初予想の今12月通期業績に対する利益進捗率は、38%~60%と目安の25%を大きく上回った。主力ブランドの「築地銀だこ」の1月の店舗売り上げが、新年福袋の販売で過去最高を記録するなど好ダッシュとなり、2月、3月も創業20周年のテレビCMや大規模な販促キャンペーンを実施し、新商品開発では、「贅沢ねぎだこシリーズ」などの期間限定商品を相次いで発売して客単価向上に寄与、店舗政策でも収益性の高い「銀だこハイボール酒場」を4店舗、新業態の焼き立てキッシュ店「ラ キッシュ」3店舗を各新規出店したことなどが寄与した。

 今12月通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ340億円(前期比7.8%増)、営業利益12億5000万円(同16.1%増)、経常利益11億5000万円(同19.1%増)、純利益3億5000万円(前期は6億6100万円の赤字)と見込んでいる。ただ、店舗政策では「銀だこハイボール酒場」の新規出店を今期通期で30店舗、「ラ キッシュ」を同10店舗予定していることなども加わり、今期1Qの高利益進捗率業績から上ぶれ期待も高めている。証券アナリストのコンセンサスでは、今期経常利益を16億2000万円とする観測も浮上しており、国内中堅証券では、投資判断を「中立」から「強気」、目標株価を1200円から2000円にそれぞれ引き上げた。

■分割落ち後調整幅の3分の2戻しをクリアし全値戻しで弾みをつけ2000円大台も有力

 株価は、昨年9月30日を基準日にした株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち後に、昨年10月の分割落ち後高値1832円から前期業績の伸び悩み推移などで同落ち後安値862円まで調整、今期業績の増益転換予想で底上げに転じ、今期1Q好決算で年初来高値へ上値を伸ばした。この年初来高値は、権利落ち後高値から安値までの調整幅の3分の2戻しをクリアした株価水準であり、まず全値戻しに向かい、ここで弾みをつけ国内中堅証券の目標株価通りに2000円大台を目指す展開が有力となる。(本紙編集長・浅妻昭治)

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