【株式評論家の視点】ピクスタは新規事業や韓国進出に積極投資、19年には再び増収増益へ

株式評論家の視点

 ピクスタ<3416>(東マ)は、2015年9月14日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。「インターネットでフラットな世界をつくる」ことを企業理念として掲げ、インターネットを最大限活用し、価値を生む人とそれを活かす人を最大多数結びつけ、多様性に富む活気ある社会の実現に貢献していくことを目指している。 その理念のもと、インターネット上で写真・イラスト・動画等のデジタル素材の仕入から販売までを行うオンラインマーケットプレイス「PIXTA(ピクスタ)」の運営を主たる事業とし、アジアNo.1のクリエイティブ・プラットフォームとなることを目指して事業展開をしている。

 同社では、引き続き「PIXTA」サイトの改善による顧客獲得及びコンバージョン強化に注力するとともに、顧客の多様なニーズを満たすための定額制プランの拡充、販促活動や、音素材などの新たな素材カテゴリの拡充に積極的に取り組んでいる。 また、前2016年12月期に開始した出張撮影マッチングサービス「fotowa(フォトワ)」やスマホ写真のマーケットプレイス 「Snapmart(スナップマート)」などの新規事業のさらなる成長のための施策や、台湾及びタイを始めとしたアジア地域における海外事業展開のための施策と積極的に先行投資を行っている。

 今17年12月期第1四半期業績実績は、売上高5億1300万円、営業利益1300万円、経常利益1300万円、純利益200万円に着地。売上高は単品販売・定額制販売ともに集客施策が奏功し過去最高を更新、採用順調で人件費も増加傾向で海外投資およびオフィス賃料等の増加と投資が先行している。

 今17年12月期業績予想は、売上高24億1300万円(前期比37.3%増)、営業利益4800万円(同68.6%減)、経常利益4700万円(同69.7%減)、純利益400万円(同96.0%減)を見込む。韓国のTopic社買収及び同社の連結子会社化により、韓国市場での低価格デジタル素材市場の拡大とシェア獲得で売上高は増加する見込みだが、主としてTopic社における人員の増強、デジタル素材制作・獲得のための費用及び株式取得に伴う「のれん代」の償却費用が発生する見込みで、大幅減益となる見通し。

 株価は、1月17日につけた年初来高値1750円から4月17日の年初来安値1121円まで調整を挟んで5月17日高値1434円と上昇。6月1日に「fotowa」の出張撮影をプレゼントできる「fotowa ギフト券」の販売を開始すると発表したことを手掛かりに、6月5日高値1537円と急伸した後、モミ合っている。中長期では、販売開始定額制販売重視へのシフトや、「fotowa」や「Snapmart」などの新規事業・サービスの展開、韓国市場へ進出により成長を実現し、2019年には再び増収増益体制を確立する見通し。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る