キムラユニティーは18年3月期最高益更新予想、低PBRも見直し

 キムラユニティー<9368>(東1)はトヨタ自動車向け部品包装が主力の総合物流サービス企業である。物流請負のNLS事業が成長し、北米や中国の収益拡大も進展している。18年3月期は2桁増益で過去最高益更新予想である。株価は上値が重くモミ合い展開だが、好業績や低PBRを見直す動きが期待される。

■トヨタ向け部品包装が主力の総合物流サービス企業

 トヨタ自動車<7203>の補修部品・KD部品の包装・物流、および一般物流請負のNLS(ニューロジスティクスサービス)を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野における情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。

 主力の物流サービス事業は、トヨタ関連の堅調推移に加えて、ネット通販市場の拡大も追い風として物流請負のNLSが拡大基調である。自動車サービス事業では13年12月軽自動車販売専門店を運営するスーパージャンボを子会社化した。海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。

■18年3月期は2桁増益で過去最高益更新予想

 今期(18年3月期)連結業績予想(4月27日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.3%増の490億円、営業利益が同22.7%増の21億円、経常利益が同12.1%増の22億円、純利益が同24.7%増の13億円としている。配当予想は前期と同額の年間27円(第2四半期末13円、期末14円)で予想配当性向は25.1%となる。

 物流サービス事業は国内外での拡販を見込み、自動車サービス事業ではリース契約台数・メンテナンス契約台数の増加を見込んでいる。個人向け自動車販売はスーパージャンボと一体となった販売体制を展開する方針だ。のれん償却費の圧縮や継続的な原価改善活動も寄与して2桁増益予想である。売上高、各利益とも過去最高更新の見込みである。

■株価はモミ合いだが好業績や低PBRを見直し

 株価の動きを見るとやや上値が重く、1100円~1200円近辺でのモミ合い展開だ。ただし調整一巡感を強めている。

 7月5日の終値1158円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS107円72銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2104円19銭で算出)は0.6倍近辺である。なお時価総額は約140億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線が戻りを押さえる形だが、一方では52週移動平均線近辺下値を支えている。好業績や0.6倍近辺の低PBRを見直す動きが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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