【株式評論家の視点】日本ドライケミカルは提携先とのシナジーにより事業領域を拡大、8月4日に第1四半期決算を発表

株式評論家の視点

 日本ドライケミカル<1909>(東1)は、2016年10月1日付で組織再編を行い、同社の連結子会社であった株式会社ヒューセックを吸収合併。組織再編に伴い、ヒューセックが主業としていた自動火災報知設備、機器の製造・販売事業は、同社の防災設備事業、メンテナンス事業、商品事業の3事業が継承。名実ともに、煙・熱を感知して報知する自動火災報知設備から、消火設備、消火器そして消防自動車まで、顧客の防災にかかわるすべてのニーズをカバーすることが出来る、”真”の総合防災メーカー、総合防災エンジニアリングカンパニーとしての地歩を確固たるものにしている。

 12年5月に株式会社初田製作所との基本業務提携契約の締結、13年2月に新日本空調株式会社との資本業務提携契約の締結、同年4月に松山酸素株式会社との共同出資による株式会社イナートガスセンターの立ち上げ、14年8月に沖電気工業株式会社との資本業務提携契約の締結と、提携先とのシナジーによる事業領域の更なる拡大を図っている。また、創立60周年目の節目にあたる本年4月には、千葉工場内に、昇降天井を装備した消火実験棟が完成したほか、福島工業団地の一区画内に、福島新工場の建設に着手と、顧客が満足する防災機器・システムを開発し、市場へ提供していく方針。

 今18年3月期第2四半期業績予想は、売上高124億6300万円(前年同期比2.6%減)、営業利益2000万円(同69.8%減)、経常利益2100万円(同72.2%減)、純利益1000万円(同74.8%減)を見込む。

 今2018年3月期業績予想は、売上高334億円(前期比8.0%増)、営業利益14億800万円(同11.0%増)、経常利益14億600万円(同9.2%増)、純利益12億400万円(同38.9%増)と2ケタ増益を見込む。年間配当予想は、60円(第2四半期末25円、期末35円)継続を予定している。

 株価は、3月17日につけた年初来高値2501円から4月7日の年初来安値2222円まで調整を挟んで5月11日高値2498円と上昇。その後、モミ合っている。アスクルの倉庫火災をキッカケに防災に対する関心が高まっており、2350円どころを下値として固めた感がある。今期予想PER7倍台・PBR0.8倍と割安感があり、配当利回り2.5%と利回り妙味もソコソコある。8月4日に予定される第1四半期決算の発表を前に下押す場面があれば、買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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