寿スピリッツは自律調整一巡して6月の上場来高値試す、18年3月期2桁増収増益・増配予想で増額の可能性

日インタビュ新聞ロゴ

 寿スピリッツ<2222>(東1)は「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げ、首都圏エリア展開強化や商品プレミアム化などの重点施策を加速している。18年3月期も2桁増収増益・増配予想で、第1四半期の売上状況は前年同期比17.9%増収だった。通期予想に増額の可能性がありそうだ。株価は自律調整一巡して6月の上場来高値を試す展開が期待される。なお8月1日に第1四半期決算発表を予定している。

■「お菓子の総合プロデューサー」として地域限定ブランド菓子を展開

 地域限定ブランド菓子の製造・販売を主力とする持株会社である。全国各地のお菓子のオリジナルブランドとショップブランドを創造する「お菓子の総合プロデューサー」を企業ビジョンに掲げている。

 重点施策として、プレミアム・スイーツブランドの創出と育成(地域・チャンネル特性にマッチした商品開発推進、主力商品リニューアルによるバージョンアップと価格改定、販路開拓やリアル店舗と通販の融合、新業態店の拡大)、インバウンド対策の強化(国内主要国際空港における免税売店等への販売強化、直営店舗での免税対応強化)、首都圏でのWSR化展開(シュクレイのブランド力向上、フレンチトースト専門店「Ivorish(アイボリッシュ)」など新ブランド確立)、海外展開、生産性向上による製造採算改善などを推進している。

 収益特性として、クリスマス・年末年始商戦などで下期の構成比が高くなる季節要因がある。また駅・空港・高速道路SAなど交通機関チャネルでの土産品としての販売比率が高いことも特徴である。

■18年3月期2桁増収増益・連続増配予想、さらに増額の可能性

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月15日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比10.6%増の360億円、営業利益が同15.7%増の44億50百万円、経常利益が同15.4%増の45億円、純利益が同22.4%増の31億50百万円としている。配当予想は同5円増配の年間30円(期末一括)で、予想配当性向は29.6%となる。

 7月13日発表した第1四半期(4月~6月)の売上状況(概算)は、前年同期比17.9%増収と好調だった。ケイシイシイが21.4%増収、シュクレイ(17年4月1日付でフランセを吸収合併)が28.0%増収と好調で全体を牽引した。通期予想に増額の可能性がありそうだ。

■株価は自律調整一巡、好業績評価して6月の上場来高値試す

 株価の動きを見ると、6月15日の上場来高値4035円から利益確定売りで反落して上げ一服の形だったが、3500円近辺から切り返しの動きを強めている。

 7月14日の終値3780円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS101円22銭で算出)は37~38倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は0.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS409円20銭で算出)は9.2倍近辺である。時価総額は約1176億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線近辺から切り返してサポートラインを確認した形だ。自律調整が一巡し、好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  2. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  3. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  4. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  5. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  6. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る