サクセスHDは13日に前期決算説明会を実施、今期も2ケタ増収ながら減益を見込むが、業績の上振れが見込まれる

決算情報

 
サクセスHD<6065>(東1)は13日、14年12月期決算説明会を行った。

新しく代表取締役社長に就任した野口洋氏により、会社概要、保育の事業環境、当社の強み、業績内容、業績予想と今後の展開について詳しく説明が行われた。

同社は2010年11月に設立された持株会社で、サクセスアカデミーを100%子会社としている。本社の所在地は神奈川県藤沢市で、受託保育事業、公的保育事業を展開している。施設数は受託保育事業167箇所、公的保育事業88箇所の合計255箇所で7000名近い児童を預かっている。従業員数は3372名。
受託保育事業とは、いわゆる事業所内保育と呼ばれているもので、病院、大学、老人介護施設、企業等で働く人たちのための事業所内保育を行っている。
公的保育事業では、認可保育所、認証保育所、小規模保育施設、学童保育、児童館などの保育所を運営している。

公的保育の主な取引先は、東京都の練馬区、中央区、大田区、目黒区、杉並区、品川区、江戸川区、中野区、新宿区、調布市、三鷹市、小平市、町田市、小金井市といった自治体である。また、本社が神奈川県にあることから、横浜市、川崎市、藤沢市、横須賀市、逗子市でも運営している。その他には、千葉県の浦安市、佐倉市、愛知県の名古屋市、宮城県の仙台市がある。

2014年12月期は21施設増加し、255箇所となっている。内訳は、受託保育事業167箇所、公的保育事業88箇所となっている。公的保育事業の内訳は、認可保育園43箇所、認証保育所5箇所、学童クラブ27箇所、小規模保育園13箇所となっている。施設数は年々増加していることから、売上高は拡大している。

平成3年を境として、「共働きの世帯数」が「男性雇用者と主婦業に専念する妻の世帯数」を上回った。その後、一時平成7年には「男性雇用者と主婦業に専念する妻の世帯数」が逆転する。しかし、それ以降は「共働きの世帯数」が上回り、平成25年には「共働きの世帯数」は1065万世帯、「男性雇用者と主婦業に専念する妻の世帯数」は745万世帯とその差は拡大する一方にある。

保育所利用児童数は、施設数の増加と共に年々増加している。一方、保育所を利用できない待機児童数は徐々に減少傾向にある。しかし、2010年には2万6275人いた待機児童が、2014年は2万1371人と減少傾向にあるものの、待機児童ゼロという目標には程遠い状況である。
地方での待機児童数は徐々に減少しているが、東京都の待機児童数は前年比555人増加していている。首都圏の待機児童数は1万1907人(平成26年9月12日更新版)とまだまだ施設数が大幅に不足している。

2013年には「待機児童解消加速化プラン」を政府が発表した。支援パッケージとして5つの柱を元に2015年から消費増税を活用して取組を進める方針であったが、消費増税は見送られている。しかし、一定の予算を取り新制度による取り組みがスタートする予定になっている。

新制度のこれまでの違いは認可保育園と認可外保育園という大きな区分から施設型給付と地域保育給付というふうに分けることが大きな違いといえる。
施設型給付は、認定子ども園、幼稚園、保育所に分けられる。地域型保育給付は、施設型に比べ施設は小規模で、居宅訪問型保育、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育に分けられている。
また、保育士の不足が急務であることから、保育士確保プランが発表されている。新たに確保が必要となる保育士は6万9000人であることから、いろんな施策が必要となっている状況である。保育試験が現状では年1回あるがこれを年2回に増やすとか、保育士の処遇を少しでも増やすとかという施策が実施される。

また、保育士に準ずる子育て支援員制度が始まることになった。子育ての経験のある人に保育の研修を受けてもらい、保育の現場で働いてもらうという制度である。認可保育園で働くことは認められないが、児童館で働くために基本研修を8科目、8時間、放課後児童クラブであれば6科目、9時間の研修を受ければ子育て支援員となることが認められ、学童施設、児童養護施設等で働くことが出来る。

そのような状況の中で、同社の強みは、従量制の請求方法、自然共育(しぜんともいく)を軸とした保育、IT化による運営管理システム、24時間365日の運営対応、255通りの運営スタイル、優秀な人材と充実した研修・育成制度が挙げられる。

事業所内保育は、その事業所で働いている人たちのために作られているため、利用しやすさが一番求められる。従って、使った分だけ請求する従量制の請求方法となっている。また、利用者の不規則な勤務時間に合わせた保育を実施しているので、スタッフの勤務時間も一定というわけではない。必要であれば、24時間365日の保育を提供するということで、年末年始も多くの施設で、運営を行う。
更に、自然共育という銘を打って、保育の中身を充実している。事業所内保育は、規模も色々あるので、園庭の無いところもある。そこで、狭い空間の中であっても少しでも子供たちに自然に触れてもらうために、どんな施設でもあっても自然と触れ合うことができる自然共育を指導している。この流れの一環として、今年の1月からウッドスタート宣言を行い、木製の玩具に親しんでもらう取組を開始している。
また、委託先の事情に合わせた、利用者の要望に合わせた取組を実施している。そのため、従量制の請求、委託先の要望に合わせた運営や24時間365日の保育を実現するには、ITを利用した運営が求められるため、IT化による運営管理システムを行っている。
優秀な人材と充実した研修・育成制度で全国255施設を展開している事業所は、同社のみで、施設数では日本トップといえる。そのため、働いている保育士が少しでもレベルアップできるように、毎年色々な研修会を実施している。

このような取組を行った結果、前14年12月連結業績は、売上高101億13百万円(前年同期比16.6%増)と売上高は伸びたものの、新たに開園した認可保育園の数が増加(当期8施設、前期6施設)したことから開園準備費用が増加したことで、営業利益3億69百万円(同34.0%減)、経常利益6億82百万円(同3.3%減)、純利益3億96百万円(同1.0%減)と減益となった。

13日の株価については、10日発表の今期15年12月期連結業績予想が2ケタ増収ながら、施設開設の先行投資が嵩むことから、前期業績と同じく利益面の減益となるため、年初来最安値を更新している。

しかし、同社の場合は、上場企業であることから業績の向上が求められる一方で、教育事業にかかわる企業としての責任も担っている。そのため、今期業績予想は、売上高113億75百万円(前期比12.5%増)と施設数を増やし、預かる児童数も増えることから売上は拡大するものの、新しい施設への投資が膨らむことから、営業利益2億33百万円(前期比36.8%減)、経常利益6億58百万円(同3.5%減)、純利益3億68百万円(同7.1%減)と2ケタ増収ながら減益を見込む。

ところが、今期業績計画の作成の後、認可保育園における運営費の公定価格のアップ、東京都の予算の増加が発表されている。現在同社では、売上がどれほど増えるのか、初動体制にどれ程の予算を回せるのか、試算を行っている段階である。明確な数字を出していないが、それなりの金額の増加を見込んでいる。そのため、当初計画の数字を上回る可能性が出てきたといえる。

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