【編集長の視点】ブレインパッドは連続の2ケタ増収・最高純利益を手掛かりに下げ過ぎ訂正買いが再燃し反発

 ブレインパッド<3655>(東1)は、前日8月31日に10円高の1110円と反発して引けた。今年8月5日に発表した今2018年6月期業績の連続2ケタ増収・連続の過去最高純利益更新予想を見直し下げ過ぎ訂正買いが再燃した。政府が成長戦略として掲げる「第4次産業革命」の重点課題としているビッグデータ、AI(人工知能)関連の最先端分野で豊富な実績と強みを持ち、同社の積極的な中期経営計画のベースとして推進としていることも、テーマ株人気の再燃期待につながっている。

■今期もデータサイエンティストを中心に積極的に人員を増員し新システムを展開

 同社の今2018年6月期業績は、売り上げ41億円(前期比16.2%増)、営業利益3億円(同2.02倍)、経常利益3億円(同2.09倍)、純利益1億9000万円(同26.1%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。次期2019年6月期を最終年度とする中期経営計画に沿ってデータサイエンティストを中心に人材投資の取り組みを強化し、前期の40名に続き今期も63名の増員を計画し、この業界随一のデータサイエンティスト集団によってデータ解析ロジックを組み込んだシステム実装の業務受託を行うアナリティクス事業を幅広い業界に展開し、ビッグデータ分析と機械学習を組み合わせたソリューション事業の提案を積極継続、業界シェアトップ製品の「Rtoaster」を核にしたマーケティングプラットフォーム事業も続伸することなどが要因となる。

 なかでもAI関連では、前期にキユーピー<2809>(東1)向けにAIの深層学習(ディープラーニング)を活用した食材の不良品を検知するシステム、八千代エンジニアリング社向けには河川の護岸コンクリートの劣化を検知するシステム、エアロセンス社向けにはドローンによる空撮画像から自動車台数を正確にカウントする自動監視システム、さらにGoogle社の日米のイベントでは、同社の委託を受けてAIで相手の発話内容を理解して機械学習とロボットアームを組み合わせて相手の好みに合ったお菓子をすすめるデモンストレーションシステム「Find Your Candy」を開発・展示したことも、今後の新システムの開発につながるとして成長可能性期待を高めている。なお中期経営計画では、最終年度の2019年6月期に売り上げ50億円、経常利益7億円を目標にし、経常利益を10億円にいかに近づけるかチャレンジする。

■日柄的にも値幅的にも2番底確認を示唆し戻り高値抜けから年初来高値を目指す

 株価は、AI関連株人気の波及に同社とヤフーとのデータ分析事業を幅広く直接受託する幅広い業務提携がオンして年初来高値1767円まで急騰し、前期業績の下方修正で同安値956円まで突っ込んだが、同下方修正が積極的な人材投資による前向きの業績修正として底上げに転じた。ついで今期純利益の連続過去最高更新予想で1300円台に持ち直し、Google社向け「Find Your Candy」の開発・展示で1450円の戻り高値をつけた。足元では、再び1000円大台で下値を試す展開を続けているが、日柄的にも値幅的にもほぼ2番底打ち様相を濃くしている。25日移動平均線からも5%超のマイナスかい離と下げ過ぎも示唆しており、底上げ加速で戻り高値抜けから年初来高値奪回を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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