【編集長の視点】アグロ カネショウは反落も連続最高純益を手掛かりに割安修正買いが再燃して上値追い有力

編集長の視点

 アグロ カネショウ<4955>(東1)は、前週末1日に96円安の1714円と反落して引けた。8月31日に年初来高値1825円まで急騰しており、週末を控えて目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、依然として今2017年12月期純利益が、連続の過去最高更新と予想されていることを手掛かりに割安修正期待の押し目買いも続いており、上値追いに再発進するとの期待を高めた。新規剤(農薬)として昨年2016年末に害虫防除剤の登録を申請していることや、今年8月30日には殺菌剤、植物成長調整剤の適用拡大が承認されたことなどもサポート材料視されている。

■土壌分析室活用で主力の土壌消毒剤が順調に推移し福島工場譲渡も寄与

 同社の今2017年12月期業績は、今年5月の今期第1四半期決算開示時に期初予想の純利益が上方修正され、同8月の今期第2半期決算発表時には小幅下方修正された。今年5月の純利益の上方修正は、原発事故で被害を受けた福島工場の土地を放射性汚染土の中間貯蔵施設向けに売却し、国から12億9200万円の損失補償金を受領したことなどが要因となった。一方、今年8月の小幅下方修正は、新規剤の研究開発を中止したことによるものである。それでも今期業績は、売り上げ149億円(前期比4.1%増)、営業利益19億4400万円(同5.8%減)、経常利益19億4200万円(同7.6%増)、純利益17億9700万円(同39.8%増)と予想、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。

 同社は、果樹と野菜に特化するニッチ・トップの農薬メーカーとして、生産農家を会員として直接、技術指導・支援して販売する独自のビジネスモデルを展開しており、海外大手メーカーの経営統合・業界再編が続く環境下、これに伴い導出される海外大手メーカーの商品の権利を確保、今年6月には混合除草剤をBASFジャパン(東京都港区)から買収したほか、新規剤の研究開発も積極化してポートフォリオの充実を進めており、適用拡大では殺菌剤の使用回数の増加、植物成長調整剤の作物名「カーネーション」の追加などが承認され、主力商品の土壌消毒剤では、開設3年目の土壌分析室を活用して営業推進を強化していることなどが寄与する。また、登録申請中の害虫防除剤は、2025年に上市を予定していることも、同社が、長期事業計画で2025年に目標とする売上高300億円の達成を強力に後押しをする見込みだ。

■PERは12倍と割安顕著で信用取組も薄めながら株不足の好需給

 株価は、前期の配当権利落ち後の年初来安値1170円から前期業績の上方修正、今期業績の上方修正と好材料が続いて1727円まで約5割高し、今期業績の下方修正では1516円と下落したが、下方修正と同時に発表した株主優待制度の優待拡大を歓迎高し、殺菌剤、植物成長促進剤の適用拡大で年初来高値1825円まで急伸して、スピード調整した。PERは12倍台と割安で、信用取組も薄めながら株不足で逆日歩のつく好需給となっており、売り方の買い戻しも加わって年初来高値抜けから上値追いに再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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