【株式評論家の視点】やまびこはヤマハ発との農業用ドローン開発に期待、第1四半期売上高は過去最高

株式評論家の視点

 やまびこ<6250>(東1)は、小型屋外作業機械・農業用管理機械・一般産業用機械を事業の三本柱とする屋外作業機械メーカーで、国内はもとより主力の北米市場をはじめ、欧州、アジア等々、グローバルに事業を展開している。

 新中期経営計画2019では、同社グループの中長期的な持続的成長を目指し、「誰からも信頼される会社であり続ける」、「魅力ある会社になるために常に変革する」との基本方針を掲げ、製品競争力の強化、販売・サービス力の強化、製品品質向上と資産効率の改善、基盤強化および企業価値の向上など各重点施策に取り組み、最終年度の2019年12月期売上高1250億円、営業利益88億円、純利益57億円、ROE10%以上の目標達成を目指している。

 今2017年12月期第1四半期は、国内販売子会社を統合して営業体制の効率化を図るとともに、販売・サービス力の一層の向上と経営基盤の強化を図ったほか、中国市場向け農業用管理機械の現地生産拠点設立準備や生産効率向上のための自動化設備導入などにも注力。第1四半期業績実績は、売上高309億9000万円(前年同期比6.8%増)、営業利益24億5000万円(同9.8%減)、経常利益26億5000万円(同63.5%増)、純利益21億2000万円(同2.1倍)に着地。国内は農林ルートが好調に推移して増収。海外は北米が天候の影響を受けたが、 ロシアの好転や中国の拡大などにより、全体では過去最高の売上高を達成した。

 今17年12月期業績予想は、売上高1000億円、営業利益60億円、経常利益61億円、純利益44億円を見込む。年間配当予想は期末一括30円を予定している。主に国内売上の伸長などにより増収、前期計上の特別損失が無くなり、最終利益は大幅増益を見込む。 なお、今17年12月期から決算期を3月31日から12月31日に変更し、9か月変則決算となっている。

 株価は、1月4日の年初来高値1750円から4月17日安値1177円と調整。その後、1300円を軸にもみ合っていたが、8月22日に年初来安値1170円と売り直されて底値確認から上昇している。本年4月末にヤマハ発動機とマルチローター型ドローンによる農薬散布システムの共同開発と商用化に関する業務提携に合意。マルチローター型ドローンによる農薬散布システムの共同開発、18年に発売を予定しており、今後の展開が注目される。 今期予想PER8倍台と割安感があり、配当利回り3.1%と利回り妙味もソコソコある。1200円割れを下値として固めた感があり、押し目買い優位に上値を伸ばすか注目したい。 (株式評論家・信濃川)

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