【株式評論家の視点】フルキャストHDは昨年秋の労働派遣改正法施行で「アルバイト紹介」「アルバイト給与管理代行」伸長、低PERに魅力

株式評論家の視点

フルキャストホールディングス<4848>(東1・売買単位100株)は、主力の短期業務支援事業が、「アルバイト紹介」、「アルバイト給与管理代行」の好調で、収益拡大中である。同事業の売上高は前期183億4900万円(前々期比17.1%増)と伸長。今期も2ケタ台の売上増加が期待できるのではないかと見られる。

登録センターを2014年7月に14拠点、10月8拠点で新規出店した。この効果により、求職者を年間で約17万人採用し、リーマンショック後における派遣専業時のピークである2012年12月期を上回る求職者数を確保した。今後とも「紹介」「代行」サービスにおける取引顧客数の増加、市場規模拡大の期待される中規模都市への出店を精力的に実施する。

こうしたことから、業績は絶好調に推移。2014年12月期は売上高2011億7500万円(前々期比15.5%増)、営業利益16億1300万円(同4.7倍)、経常利益16億4700万円(同2.9倍)、当期純利益13億3600万円(同2.8倍)、一株当たり利益34円70銭(前々期12円48銭)にアップした。

続く2015年12月期は売上高224億円(前期比11.0%増)、営業利益20億円(同24%増)、経常利益20億3100万円(同23.3%増)、当期純利益17億1700万円(同28.5%増)と増収増益を確保する見通しだ。

前期の業績が大幅な増収増益を達成した後でも、こうした好業績を確保する見込みであることは高評価してよいだろう。予想一株当たり利益は44円61銭にアップする。これで計算したPERは11.8倍と低い。

同社株は2014年8月に660円まで買い進まれだが、この時点のPERは30倍(この時点の予想一株当たり利益は21.8円)となる。これに比べても、今の株価水準はあまりにも低いと言わざるを得ない。当面は、PER20倍の890円を目標にしたい。また、配当も今期は年18円(前期16円)に増配することも支援材料となろう。(志木克己)

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