【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アルファは調整一巡して下値切り上げ、収益改善期待で出直

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 POP広告などで「買い物コミュニケーション創造企業」を目指すアルファ<4760>(JQS)の株価は、第1四半期(9月~11月)の減収減益を嫌気する場面があったが、徐々に下値を切り上げている。調整が一巡してトレンド転換する動きであり、収益改善期待で出直り展開だろう。2%台後半の高配当利回りや0.6倍近辺の低PBRも評価材料だ。

 POP広告やイベント関連商品など店舗販促用品の企画・製作を展開し、メーカー・小売のタイアップ企画である消費者向け販促キャンペーンの受注や、デジタルサイネージ(デジタル技術を活用した広告媒体)を組み込んだ新販促商品・サービスの企画・提案営業を強化している。新商品では香りのプロモーションツール「かおるくん」が好調のようだ。

 中期的な収益力向上に向けて、ショッパー(買い物客)の購買行動やインサイト(深層心理)を捉えた「買い物コミュニケーション創造企業」を目指している。なおクリスマスや年末・年始商戦などで上半期(9月~2月)の構成比が高い収益構造である。

 今期(15年8月期)業績(非連結)見通しについては、前回予想(10月14日公表)を据え置いて売上高が前期比4.5%増の70億円、営業利益が同8.8%増の1億70百万円、経常利益が同2.9%増の1億65百万円、純利益が同0.6%増の70百万円、配当予想が前期と同額の年間5円(期末一括)としている。

 自社企画製品ではオンラインショップによる受注増加、別注製品では企画提案強化による消費者向け販促キャンペーンの受注増加、メーカーからの企画料・デザイン料など役務売上の増加、商品ではイベント関連の受注の増加を見込んでいる。

 第1四半期(9月~11月)は、中小スーパーの販促費削減傾向継続、前年の大口スポット受注の一巡、装飾物・演出物の受注減少などの影響で、前年同期比4.4%減収、25.4%営業減益、26.4%経常減益、24.2%最終減益だったが、採算重視の取引推進や売上総利益率の改善なども寄与して、通期ベースでの営業損益改善が期待される。

 株価の動きを見ると、第1四半期の減収減益を嫌気して1月21日の172円まで調整したが、14年前半の安値水準150円台まで下押す動きは見られず、その後は徐々に下値を切り上げる動きだ。2月19日は183円まで上伸する場面があった。調整が一巡したようだ。

 2月19日の終値181円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS8円70銭で算出)は20~21倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は2.8%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS285円53銭で算出)は0.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると13週移動平均線を回復した。調整が一巡してトレンド転換する動きであり、収益改善期待で出直り展開だろう。2%台後半の高配当利回りや0.6倍近辺の低PBRも評価材料だ。

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