松田産業は自律調整一巡して上値試す、18年3月期予想は増額の可能性

 松田産業<7456>(東1)は貴金属関連事業および農林水産品販売事業を展開している。18年3月期増収増益予想である。数量・市況回復で増額の可能性が高いだろう。株価は9月の年初来高値から一旦反落したが、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■貴金属リサイクルや農林水産品販売を展開

 貴金属リサイクル(貴金属事業)や産業廃棄物処理(環境事業)などの貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。17年3月期の売上高構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%、営業利益構成比は貴金属関連事業63%、食品関連事業37%だった。収益面では、半導体・電子部品などエレクトロニクス業界の生産動向、貴金属および食品市況の影響を受けやすい特性がある。

 貴金属リサイクルは、半導体・電子材料部材・化成品などの貴金属製品をエレクトロニクス業界へ販売するとともに、半導体や電子部品を製造する過程で規格外となった部品(スペックアウト品)などの貴金属含有スクラップを国内外のメーカーから回収・処理・製錬することで、貴金属(金・プラチナ・パラジウムなど)をリサイクルする。

 産業廃棄物処理は、写真の感光材料からの銀の回収、廃酸や廃アルカリの無害化中間処理など、産業廃棄物の回収・処理を行っている。無害化処理技術に強みを持ち、全国47都道府県での収集運搬業許可を得ている。

 中期経営計画(16~18年度)の目標値は19年3月期売上高2000億円、連結営業利益40億円としている。

■18年3月期増収増益予想で増額の可能性

 今期(18年3月期)連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比7.3%増の1750億円、営業利益が8.1%増の32億円、経常利益が1.2%増の35億円、純利益が1.4%増の24億90百万円としている。貴金属関連事業において貴金属リサイクル取扱量が回復傾向であり、食品関連事業も販売数量が堅調に推移して、全体として増収増益予想である。

 第1四半期(4~6月)連結業績は売上高が前年同期比17.8%増収、営業利益が99.5%増益、経常利益が2.1倍増益、純利益が2.3倍増益だった。数量・市況回復で大幅増収増益だった。貴金属関連事業は17.6%増収・64.2%営業増益、食品関連事業は18.1%増収・2.8倍営業増益だった。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高26.1%、営業利益33.0%、経常利益33.0%、純利益30.6%と高水準である。数量・市況回復で通期予想は増額の可能性が高いだろう。

■株主優待制度は毎年3月末に実施、対象は継続1年以上保有株主

 株主優待制度は毎年3月31日現在、1単元(100株)以上を継続1年以上保有する国内在住株主を対象として株主優待品を贈呈する。17年3月期末から対象を変更した。

■株価は自律調整一巡して上値試す

 株価は9月の年初来高値1675円から利益確定売りで反落したが、大きく下押す動きは見られない。自律調整の範囲だろう。

 10月11日の終値1591円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS94円55銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間28円で算出)は1.8%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2027円45銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約460億円である。

 週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線が接近してきた。自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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