【株式評論家の視点】壽屋はアジアでの展開に注目、9月27日高値を完全に突破し上昇に弾み

株式評論家の視点

 壽屋<7809>(JQS)は、本年9月26日に東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場した。同社は、フィギュア、プラモデル、雑貨等を中心としたホビーに関わるグッズの企画・製造・販売・サービス活動を主として展開しており、顧客の要望に柔軟に対応できる製販一体型の事業を展開している。中国最大規模のアニメ・ マンガ・ゲームの総合イベント「上海 CCG EXPO 2015」にて「最人気海外プラモデル賞」を受賞した同社オリジナルプラモデルシリーズである「フレームアームズ・ガール」のアニメを本年4月から放送し、同社コンテンツの開発・製造においても着実に実績を積み上げている。

 前2017年6月期業績実績は、売上高80億0800万円(前の期比1.2%減)、営業利益4億7200万円(同35.5%減)、経常利益4億3500万円(同30.9%減)、純利益2億5100万円(同36.9%減)に着地。

 今18年6月期は、引き続き他社コンテンツのフィギュア、プラモデル、雑貨の企画・製造・販売を行うとともに、自社コンテンツについても注力している。自社コンテンツにおいては前17年6月期の業績を牽引した「フレームアームズ・ガール」を中心に同製品のカスタマイズパーツとなる「M・S・G」シリーズも引き続き安定した需要が見込まれており、新商品の発売や再生産を行う予定。加えて、前期から展開している「メガミデバイス」、今期から展開する「ヘキサギア」といったオリジナルのプラモデルシリーズの販売を行っている。海外市場については、「スター・ウォーズ」やその他人気コンテンツの映画公開が年内に予定されており、ムーブメントにあわせ製品を販売する計画。

 今18年6月期業績予想は、売上高83億6800万円(前期比4.5%増)、営業利益6億3400万円(同34.2%増)、経常利益5億5500万円(同26.5%増)、純利益3億5800万円(同42.5%増)を見込む。年間配当については未定だが、前期は配当性向16.2%の期末一括51円を実施している。

 株価は、9月26日に公開価格を32.5%上回る2650円で初値をつけ、同27日高値3065円と買われた後、10月5日安値2300円まで調整を挟んで10月18日高値3660円と上昇している。アジア地域において、国内と同様に「フレームアームズ・ガール」シリーズなどのオリジナルコンテンツ製品を中心としたプラモデル製品が前期好調で、今後も市場が伸びると予想されており、海外事業の展開が注目される。9月27日高値を完全に突破し、目先の売りも吸収しており、上昇に弾みがつく可能性がありそうだ。(株式評論家・信濃川)

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