【どう見るこの相場】重要イベントや過熱感で高値波乱も警戒必要

株式市場 銘柄

 今週10月30日~11月2日の株式市場は、国内で7~9月期決算発表が前半のピークとなり、日米における金融政策決定会合や米10月雇用統計という重要イベントに加えて、米FRB(連邦準備制度理事会)次期議長の人選も発表される予定だ。企業業績の拡大や海外投資家の買いに対する期待感、さらに為替のドル高・円安を背景に、日経平均株価は96年来となる2万2000円台を回復したが、目標達成感、目先的な過熱感、週末3連休もあり、11月相場入りで一旦は高値波乱に対する警戒も必要となりそうだ。

■今週は重要イベントや過熱感で高値波乱も警戒必要

 前週(10月23日~27日)の日経平均株価は、24日まで歴代最長となる16連騰となり、週末27日には96年来となる2万2000円台を回復した。

 北朝鮮を巡る地政学リスクに対する警戒感が後退した一方で、世界的な景気と企業業績の拡大、トランプ米政権の減税政策、米FRBの緩やかな追加利上げなどに対する期待感で、米国株が史上最高値更新の展開となった。為替は1ドル=114円台までドル高・円安水準に傾いた。さらに国内では衆院選で与党が圧勝し、政権安定化を好感した。

 今週(10月30日~11月2日)は週末が3連休となるが、国内では7~9月期決算発表が前半のピークとなる。また日米における金融政策決定会合や米10月雇用統計という重要イベントに加えて、米FRB(連邦準備制度理事会)次期議長の人選も週末までに発表されるもようだ。

 企業業績については、世界的な景気拡大による需要の増加、値上げ効果、さらに円安効果などで拡大基調が予想され、セクターによっては大幅な上振れも期待されている。また日米における金融政策決定会合、米10月雇用統計、そして米FRB次期議長の人選についても、市場予想が大きく外れるサプライズは無さそうだ。企業業績の拡大や海外投資家の買いに対する期待感を背景に、日経平均株価は堅調推移となりそうだ。

 ただし重要イベント通過によって、一旦は目標達成感や目先的な過熱感が意識される可能性があり、週末には3連休も控えている。また北朝鮮を巡る地政学リスクに対する警戒感は楽観すぎるほど後退しているが、トランプ米大統領のアジア歴訪で緊張の高まりが再燃する可能性も考えられる。11月相場入りで一旦は高値波乱に対する警戒も必要となりそうだ。

■物色は景気敏感の主力大型株

 物色面では、日経平均株価やTOPIXが主導する流れになれば、引き続き景気敏感の主力大型株物色が中心になりそうだ。また国内主要企業の7~9月期決算発表に対して、事前に株価が上昇していた場合の初期反応が注目点となる。事前に株価が持ち上げられていれば、好業績でも材料出尽くし売りが膨らむ可能性があり、決算発表シーズン恒例の乱高下展開に注意が必要となる。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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