トシン・グループは日柄調整完了して上値試す、18年5月期予想に上振れ余地

 トシン・グループ<2761>(JQ)は首都圏中心に電設資材などの卸売事業を展開している。18年5月期は横ばい予想だが上振れ余地がありそうだ。株価は07年来高値圏で堅調だ。日柄調整が完了し、低PBRや継続的な自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。

■首都圏中心に電設資材や住宅設備機器の卸売事業を展開

 首都圏中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開している。小口多数販売、専門部署による得意先営業活動支援サービスなどを特徴とし、事業基盤強化や収益拡大に向けて、取扱商品や営業拠点網の拡充を推進している。

 なお収益面では、新設住宅着工戸数など建設関連投資の動向が影響し、第4四半期(3月~5月)の構成比が高い特性がある。利益還元については、将来の事業展開と経営体質強化のために必要な内部留保を確保する一方で、財務状況、利益水準、配当性向などを総合的に勘案して、前年実績を下回らない安定した配当を実施することを基本方針としている。

■18年5月期横ばい予想だが上振れ余地

 今期(18年5月20日期)の連結業績予想(6月30日公表)は、売上高が前期(17年5月20日期)比0.2%増の435億円、営業利益が0.5%増の19億60百万円、経常利益が0.5%増の27億50百万円、純利益が0.4%増の17億60百万円としている。

 他社との差別化の武器である「安心シリーズ」を有効に活用して、販売力を強化する方針としている。配当予想は前期と同額の年間54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。

 第1四半期(6~8月)の連結業績は、売上高が前年同期比1.2%減の103億37百万円、営業利益が14.3%増の5億18百万円、経常利益が12.1%増の6億87百万円、純利益が30.7%増の4億47百万円だった。微減収だが、粗利益率の改善や販管費の抑制などで2桁増益だった。売上総利益は0.3%増加し、売上総利益率は21.0%で0.3ポイント上昇した。販管費は3.4%減少し、販管費比率は16.0%で0.4ポイント低下した。

 通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.8%、営業利益26.4%、経常利益25.0%、純利益25.4%と順調である。第4四半期の構成比が高い季節特性を考慮すれば、通期予想に上振れ余地がありそうだ。

■継続的な自己株式取得で積極還元姿勢

 自己株式取得の継続的な実施で株主還元姿勢を積極化している。17年8月17日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限50万株、取得価額総額の上限16億円、取得期間17年8月18日~18年7月31日)では、10月31日に自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で7400株取得し、10月31日時点での累計取得株式総数は1万2200株となった。

■株価は日柄調整完了、低PBRや自己株式取得も評価して上値試す

 株価は07年来高値圏3200円円近辺で堅調に推移している。そして7~8月急伸後の日柄調整完了感を強めている。

 11月1日の終値3240円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS210円00銭で算出)は15~16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間54円で算出)は1.7%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS4052円75銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約370億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。日柄調整が完了し、低PBRや継続的な自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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