ジェイテックは下値固切り上げ、18年3月期2Q累計減収減益だが利益は計画超

 ジェイテック<2479>(JQ)は技術者派遣の「技術商社」を標榜し、技術職知財リース事業を展開している。18年3月期第2四半期累計は人材不足の影響で減収減益だったが、業務効率化の効果で利益は計画超だった。通期も採用コスト増加で減益予想だが、技術者派遣の需要は高水準である。株価は徐々に下値を切り上げている。18年3月期減益予想の織り込み完了して出直りが期待される。

■技術者派遣の「技術職知財リース事業」が主力

 製造業の開発・設計部門に技術者を派遣する「技術職知財リース事業」を主力としている。専門教育による知識を基盤として、新たな付加価値を顧客に提供する社員を「テクノロジスト」と呼称し、一般的なエンジニアと区別していることが特徴だ。そして「技術商社」を標榜し、テクノロジストが保有する知恵を提供(リース)することで、顧客とともに新たな価値を創造する「技術職知財リース事業」としている。

 機械設計開発、電気・電子設計開発、ソフトウェア開発、建築設計の4分野を柱としている。上位10社の顧客企業の売上構成比は46.3%である。LIXIL、本田技術研究所、ヤマハ発動機、デンソーテクノ、三菱日立パワーシステムズ、富士通テンなど幅広い業種の優良企業との取引がある。特定の業界・企業への依存度を低くして、業種別・顧客別売上構成比のバランスを維持していることも特徴だ。

■18年3月期2Q累計減収減益だが利益は計画超

 10月31日発表した今期(18年3月期)第2四半期累計(4~9月)連結業績(10月26日に売上高を減額、営業利益と経常利益を増額修正)は、売上高が前年同期比9.9%減の15億18百万円、営業利益が76.1%減の15百万円、経常利益が76.8%減の14百万円、純利益が90.6%減の3百万円だった。

 計画どおりのテクノロジスト確保が厳しく、人材不足の影響で売上高が計画を下回り減収減益だった。ただし稼働率・契約単価は高水準を維持し、業務効率化による販管費抑制などの効果で営業利益と経常利益は計画を上回った。

 なおセグメント別売上高は、技術職知財リース事業が9.0%減の14億47百万円、一般派遣およびエンジニアリング派遣事業が20.3%減の75百万円だった。

■18年3月期減益予想

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月9日公表)は、売上高が前期(17年3月期)比2.9%増の34億28百万円、営業利益が17.6%減の1億02百万円、経常利益が18.0%減の1億01百万円、純利益が20.7%減の71百万円としている。配当予想は前期から記念配当を落として、1円減配の年間1円(期末一括)としている。予想配当性向は12.1%となる。

 通期も採用コスト増加で減益予想だが、技術者派遣の需要は高水準である。中期経営計画では経営目標値に20年3月期売上高36億37百万円、営業利益1億11百万円、経常利益1億10百万円、純利益83百万円を掲げている。人材確保が課題だが、改正労働者派遣法もプラス要因となって中期的に受注環境は良好だろう。

■株価は徐々に下値切り上げ

 株価は8月の直近安値206円から徐々に下値を切り上げている。18年3月期減益予想の織り込みが完了したようだ。

 11月2日の終値224円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS8円29銭で算出)は27倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.4%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS93円79銭で算出)は2.4倍近辺である。時価総額は約19億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。出直りが期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る