【村山貢司の気象&経済歳時記】アジアからの観光客

 2月最後の週末は日本中に中国からの観光客があふれていました。旧暦では今年の元日は2月19日になり、旧暦を使っている中国では日本の年末年始のような長い休暇になります。中国本土だけではなく、香港や台湾からの観光客も目だっています。

 最近目に付くようになったのが、タイから人たちで、アジアの中でこれらの地域の経済が発展している様子が分かります。東京駅や羽田空港だけではなく、各地の観光地にアジアからの観光客が押しかけていました。地元の方に聞いてみると、京都は欧米の人が多く、九州は台湾やタイの人が多いようだということです。中国の人は皆さん東京に行ってしまうと嘆いていました。

「ようこそジャパン」をキャッチフレーズに、当時の総理だった小泉さんが観光立国日本を宣言してから10年になります。この間円安の効果もあって、2013年には訪日した外国人は1000万人を超えました。10年前の2004年が614万人ですから、およそ70%も増加したことになります。

2013年に観光目的で訪日した人は796万人で全体の77%にもなっています。ちなみに商用目的で訪日した人は14%です。商用客が少ないようですが2年連続で増加しています。数字的にはかなりの成功と言えるでしょう。

東京に来た人たちの目的は買い物です。銀座周辺は道路一面に大型の観光バスが駐車し、秋葉原や新宿、池袋の量販店は歩くのもままならない状況でした。100万もする福袋が売れる一方、100円ショップやドンキホーテも賑わっていました。

中国からの観光客が日本国内で消費する金額は平均23万円と言われています。これだけで年間3000億円以上になり、商用その他で訪日する人を加えれば5000億前後になりそうです。中国だけでこの数字ですから台湾や韓国を加えれば巨額なものになります。

観光庁の調べによると、アジアからの観光客の目的は、食事、温泉、買い物の3つがどの国も上位を占めています。日本の多くの観光地に欠けているのが、大型の免税店ではないかと思います。

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