【株価診断】立花エレテックは技術商社の強さ発揮し今3月期も最高益更新

株価診断

■PER8.9倍、2000円は見込めそう

 立花エレテック<8159>(東1・売買単位100株)は、1921年(大正10年)に立花訓光氏個人経営よる電気関係品卸と電気工事によって創業、翌年、三菱商事と特約店契約、さらに1947年に三菱電機と特約店契約(現在は代理店契約)を締結しました。1948年に立花商会として設立、1986年に大証二部に上場、2005年に東証一部に上場しました。創業94年、設立67年、株式上場29年の老舗です。

 同社・渡邊武雄社長は、「1921年の創業後、三菱電機の販売代理店となりモーターや遮断器などに強い、『産業用電気製品の立花』として業界内の地位を確立してきました。この強みを武器に1976年より、単なる機器販売にとどまらず、半導体をはじめとした電子部品及び電子機器の取り扱いを開始するとともに技術サービスを付加する、『技術商社』を志向し電気機器のハードとソフトのエンジニアリングに着手しました。以来、仕入先メーカーとの共同開発を積極的に推進し、顧客企業に対するアプリケーション・エンジニアリングサービスを強化し高度化・多様化するニーズに応える技術商社として発展してきました」と語っています。

現在、事業としては8事業です。

『FAシステム事業』=電気機器、FA機器、産業機械の取扱いから各産業の生産ラインの自動化、合理化システム構築。

『半導体デバイス事業』=半導体、電子デバイスを供給すると共にマイコン・ASICやカスタムLSIの設計・開発。

『施設事業』=工場やオフイスビル・店舗などに照明・空調・昇降機・防災機器などを供給するほか省エネに優れたオール電化製品の販売。

『産業デバイスコンポーネント事業』=産業デバイスから情報機器・映像機器をメーカー、SIer、エンドユーザーに供給。

『ソリューション事業』=省エネ・環境・安全・効率性をキーワードに複合的にこれからの生産現場に求められるソリューションを提供。

『MS事業』=電子機器受託生産(EMS)と金属加工受託生産(MMS)で顧客をサポート。

『海外事業』=アジアを中心にグローバルなニーズに対応。海外進出と海外調達を強力にサポート。

『技術部門』=技術商社として永年培ってきた技術力と豊富な開発・納入実績によりベストソリューションを開発・提供。

2014年3月期までの直近10年間における売上最高は2005年3月期の1728億5600万円が最高値です。一方、営業利益では2014年3月期の43億6700万円が最高です。技術商社を標榜した利益重視の経営といえます。

2015年3月期は、消費税前駆け込み需要の反動が懸念されましたが、「影響は軽微です。自動車関連、LED照明、建機関連などに牽引されて販売は堅調に推移しています」(会社側)ということです。

このため、今期売上は5.7%増の1500億円、営業利益は12.2%増の49億円と最高益を更新、1株利益203.6円、配当年22円の見通しです。

なお、今年4月1日効力発生で1株を1.2株に株式分割を行います。

株価は去る2月24日の1849円が上場来高値です。ちなみに、リーマンショック後の安値2009年の541円から3.4倍です。

3月2日の終値は1813円と高値圏で頑強です。配当利回りは1.21%とまずまずですが、とくに、PERは8.9倍と、特に最高益更新銘柄としては割り負けが目立っています。分割権利付で2000円に乗せる可能性は強いものとみられます。

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