【編集長の視点】アークランドサービスは2月度月次売上高プラスを手掛かりに連続最高純益を見直し急続伸

編集長の視点

アークランドサービス<3085>(東1)は、90円高の4410円と急続伸して始まり、今年2月20日につけた株式分割権利落ち後高値4580円を視界に捉えている。前日3日大引け後に今年2月度の直営店の売上高を発表、既存店・全店とも前年同月よりプラスとなったことを手掛かりに、今12月期純利益が連続して過去最高を更新することを見直し内需好実態株買いが増勢となっている。

前日は、同社のほかファーストリテイリング<9983>(東1)などのアパレル株も1月度の月次売上高を発表、連続プラス幅にサプライズのなかったファーストリテイリングが高値もみ合いで始まった一方で、サプライズのあったアダストリアホールディングス<2685>(東1)ユナイテッドアローズ<7606>(東1)などが急伸していることも連想買いを誘っている。

■既存店がプラス転換し全店売上高は初開示から連続で前年を上回る

同社の2月度売上高は、既存店が前年同月比4.6%増と前月1月の0.5%減からプラス転換し、全店売上高は、8.8%増となり、2007年8月の新規株式公開後に初めて月次売上高を開示した2008年1月度以来連続のプラスとなった。既存店の客単価は、1.1%減と前月の1.1%増からマイナスとなったが、客数が、5.8%増と前月の1.4%減からプラス転換し、全店では、客数は、9.5%増と前月の1.4%増からプラス幅を拡大させた。同社は、今12月期の既存店対策としてかつ弁併設や朝食営業などの業態拡張により1店舗当たりの平均月商のアップを進めており、この効果が早くも表面化したことになる。

この既存店対策などのため業績も好調に続伸、今12月期業績は、売り上げ210億円、経常利益28億円(同6.7%増)、純利益16億2000万円(同1.4%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高を連続して更新する。前期は、「かつや」を国内の直営店・FC店合計で50店舗(店舗譲渡・閉店4店舗)を新規出店したが、今期も前期と同様の50店舗の新規出店を計画し、このほかから揚げ専門店「からまや」や海外出店を進めることが寄与する。

■外食産業の「勝ち組」人気を高め分割落ち後高値抜けから上値トライ

株価は、昨年6月の東証第1部への市場変更に際して実施した新株式発行(発行価格3459円)・株式売出しが響いて3215円まで下ぶれたが、このファイナンスによる調達資金で新規出店策を続けていることを前向きに評価し、今期の連続最高業績をテコに株式分割権利落ち後高値をつけ高値もみ合いを続けてきた。PERなど投資採算的にはやや割高だが、「勝ち組」の外食産業株として分割権利落ち後高値抜けからなお上値トライ、2010年12月31日を基準日に実施した株式分割(1対100)の権利落ち前の上場来高値22万3500円は権利落ち換算ですでに実質に更新しているが、テクニカル的にはこの権利落ち埋めに拍車を掛けよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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