トレジャー・ファクトリーは自律調整一巡して戻り試す、既存店好調で18年2月期2桁増益予想

 トレジャー・ファクトリー<3093>(東1)はリユースショップを展開し、既存店強化、多店舗展開、新業態開発、買い取り強化を積極推進している。18年2月期2桁増益予想である。既存店も好調に推移しており、通期ベースで好業績が期待される。株価は自律調整一巡して戻りを試す展開が期待される。

■リユースショップを首都圏中心にチェーン展開

 総合リユース業態トレジャー・ファクトリーや服飾専門リユース業態トレファクスタイルなどのリユースショップを、首都圏直営店中心にチェーン展開している。17年2月期末時点の店舗数は、16年9月子会社化したカインドオルも含めてグループ合計136店舗だった。

 中期成長に向けた戦略として、既存店強化(店舗移転・リニューアル、出張・宅配など一般買い取り強化による売上総利益率改善)、多店舗展開(複数業態組み合わせて年間12店舗前後の新規出店、全国大都市圏への展開)、新業態開発・出店、海外事業を推進している。

 目標数値には19年2月期売上高175億78百万円、償却前営業利益12億91百万円、営業利益9億72百万円、経常利益10億01百万円を掲げている。配当性向は25%以上を当面の目標としている。

■18年2月期2桁増収増益予想

 今期(18年2月期)連結業績予想(4月12日公表)は、売上高が前期(17年2月期)比23.2%増の164億20百万円、営業利益が16.1%増の8億53百万円、経常利益が16.2%増の8億81百万円、そして純利益が19.7%増の5億81百万円としている。既存店売上は101.0%、既存店の売上総利益率は前期64.8%と同水準を目指すとしている。

 既存店におけるマーケティング強化、13店舗前後の新規出店、カインドオルの通期寄与などで2桁増収増益予想である。前期出店した名古屋と福岡の早期収益化、新業態の多店舗展開の本格化、カインドオル不採算店のテコ入れを推進する。また「トレファクONLINE」を10月から本格始動する。タイは2号店をオープン予定である。

 第2四半期累計は売上高が前年同期比28.5%増の77億16百万円、営業利益が54.5%減の1億57百万円、経常利益が47.2%減の1億88百万円、純利益が47.1%減の1億20百万円だった。

 既存店売上(単体)が101.6%と回復し、計画(4店舗)を上回る9店舗の新規出店、カインドオルの連結(前期は第3四半期から連結)も寄与して大幅増収だったが、売上総利益率の低下や新店費用の先行発生などで大幅減益だった。差引売上総利益率は62.3%で3.9ポイント低下した。既存店の売上総利益率が1.6ポイント低下し、カインドオルの連結も影響した。販管費比率は60.3%で0.2ポイント低下した。

 月次売上(単体直営店の店舗売上、前年比速報値ベース)を見ると、17年11月は全店110.2%、既存店100.6%だった。生活雑貨などが好調に推移し、既存店は2ヶ月ぶりに前年比プラスとなった。新規出店は1店舗で店舗数は111店舗(うちFC4店舗)となった。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が47.0%、営業利益が18.4%、経常利益が21.3%、純利益が20.7%である。低水準の形だが、新規出店が計画の13店舗を上回る見込みであり、新店の下期収益貢献が見込まれるとしている。既存店も好調に推移しており、通期ベースで好業績が期待される。

 なお配当予想は前期と同額の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。予想配当性向は30.4%となる。

■株主優待制度の内容を一部変更

 11月10日に株主優待制度の優待内容の一部をクオカードから割引券に変更すると発表している。優待対象は毎年2月末時点の1単元(100株)以上保有株主で、18年2月末から実施する。

■株価は自律調整一巡して戻り試す

 株価は安値圏800円近辺でのモミ合いから上放れの展開となり、12月6日には年初来高値となる1105円まで上伸した。その後は一旦反落したが、950円近辺から切り返す動きだ。自律調整が一巡したようだ。

 12月21日の終値992円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS52円48銭で算出)は19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS333円69銭で算出)は3.0倍近辺である。時価総額は約113億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。自律調整一巡して戻りを試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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