【新規上場(IPO)銘柄】森六ホールディングスは国内外で自動車メーカーのニーズに対応、押し目買い優位に上値を伸ばすか注目

株式市場 IPO 鐘

 森六ホールディングス<4249>(東1)は、12月20日に東京証券取引所市場第一部に上場した。同社グループの創業は、寛文3年(1663年)に天然藍及び肥料の販売を開始したことに始まり、350年以上に亘って展開している化学品専門商社であるケミカル事業と、戦後二輪車外装部品の樹脂化を成功したことで築き上げた四輪車プラスチック内外装部品の製造・販売を行う樹脂加工製品事業の2つのセグメントで構成されている。

 ケミカル事業では、無機・有機薬品の基礎化学品から農医薬中間体、農薬・肥料、プラスチック等、化学品全般を取り扱っており、化学産業を広範囲でサポートしているほか、現在は「ものづくり」を推進し、点滴バッグや業務用食品フィルムの製造等も行っている。樹脂加工製品事業では、四輪車部品が軽量化に向けて鉄から樹脂への材料置換が進む中、大型樹脂部品の製造ノウハウや加飾技術を強みとしており、日本・北米・中国・アジアのグローバル4極体制で企画・開発から量産まで一貫した体制を構築している。

 今18年3月期第2四半期業績実績は、売上高873億3500万円、 営業利益33億3100万円、経常利益35億6400万円、最終損益25億7100万円に着地。

 今18年3月期業績予想は、売上高1764億9800万円(前期比3.8%増)、営業利益77億4400万円(同22.5%増)、経常利益76億8900万円(同28.5%増)、 純利益49億9400万円(同4.9倍)を見込む。上場で調達した資金はメキシコ工場の能力増強等に充てる計画。年間配当予想は、期末一括80円を予定している。

 株価は、上場日の12月20日に公開価格2700円を10.2%上回る2975円で初値をつけ、同27日高値3450円と上昇。1月5日安値3025円と下げて切り返している。自動車メーカーの急速なグローバル化に伴い、顧客の各海外拠点と連携し、物流サービス、製品・原料の現地調達化など、日本および現地のニーズに即応できる体制を構築していることが強みで、今期予想PER11倍台・PBR0.89倍と割安感があり、配当利回り2.5%と利回り妙味もソコソコある。押し目買い優位に上値を伸ばすか注目したい。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■更新前のスーパーコンピュータの約4倍の計算能力  富士通<6702>(東証プライム)は2月21日…
  2. ■両社の資源を有効活用しSDGsに貢献  伊藤忠商事<8001>(東証プライム)グループのファミリ…
  3. ■純正ミラーと一体化し、左後方の視界を広げる  カーメイト<7297>(東証スタンダード)は、純正…
2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■投資と貯蓄の狭間で・・・  岸田内閣の「資産所得倍増プラン」は、「貯蓄から投資へ」の流れを目指し…
  2. ■「ノルム(社会規範)」解凍の序章か?植田新総裁の金融政策正常化  日本銀行の黒田東彦前総裁が、手…
  3. ■「日経半導体株指数」スタート  3月25日から「日経半導体株指数」の集計・公表がスタートする。東…
  4. ■投資家注目の適正株価発見ツール  日銀の価格発見機能が不全になる可能性がある中、自己株式取得が新…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る