【編集長の視点】ビーブレイクは続落も「働き方改革」関連人気再燃に「リターン・リバーサル」が加わりなお底値買い妙味

 ビーブレイクシステムズ<3986>(東マ)は、前日11日に35円安の3545円と続落して引けた。同社株は、昨年6月15日に新規株式公開(IPO)され、昨年12月26日に上場来安値3200円まで調整し、同安値から400円超幅の底上げをしており、目先の利益を確定する売り物が出た。ただ下値には、「働き方改革」でメリットを享受する同社の成長可能性を評価して直近IPO株人気の再燃を期待する底値買いが続き、大引けにかけ続落幅を縮小させた。テクニカル的にも、同社は、公開価格1670円に対して7700円で初値をつけ、初値倍率は、4.6倍と昨2017年の年間IPO90社の中で第3位と高人気化し、以来、日柄で6カ月、値幅で5100円の調整をしており、下げ過ぎとして大きく下げた株ほど大きく戻るとする投資セオリーの「リターン・リバーサル」が意識されている。

■セミオーダー型の「MA-EYES」の優位性を発揮し主要5業種向けのシェアを拡大

 同社は、クラウド型の統合基幹業務システム(ERP)「MA-EYES(エムエーアイズ)」を開発・提供するパッケージ事業と、システムを受託開発するシステムインテグレーション事業を展開している。このうち「MA-EYES」は、セミオーダーの手法で顧客に導入しており、顧客にとっては一からシステムを開発するのではなく、導入期間は短期間で導入コストも低減され、さらに業務に合ったシステムを構築するため業務システムへの影響も小さくなる。また顧客ターゲットもサービス業のなかでも特に労働集約型・プロジェクト型のシステム・派遣・広告・インターネット・コンサルタントの5業種の大企業・中堅企業・中小企業に絞っている。

 主要5業種の大企業見込み客は240社、中小企業・中堅企業の見込み客は8349社に達し、このシェア拡大に向けて機能の追加や拡張をする一方、営業担当の採用増・教育、営業プロセスをブラッシュアップするなどの成長戦略を推進している。政府が推進している「働き方改革」では生産性向上の取り組みが活発化し、これが、中堅企業、中小企業まで広がってくるだけに同社のパッケージ事業の追い風になってくる。昨年11月29日には、国際宇宙ステーション「きぼう」の運用を支援する有人宇宙システム(東京都千代田区)が「MA-EYES」の採用を決定、今年6月に本格稼働させることも、同社システムの優位性をアピールする。

 業績も好調に推移し、今2018年6月期業績は、売り上げ11億9100万円(前期比7.9%増)、営業利益1億7900万円(同5.6%増)、経常利益1億7900万円(同14.9%増)、純利益1億2500万円(同15.0%増)と予想され、純利益は、前期に続き過去最高を更新し、配当も、配当性向10~15%を基本に年間12円(前期実績11円)へ増配を予定している。

■日柄・値幅調整が一巡し初値倍率第3位の高人気を再燃させまず3分の1戻しを目指す

 株価は、7700円で初値をつけ上場来高値8300円まで買い進まれており、同最高値から高値期日が一巡する6カ月の日柄調整をし、株価も61%の下落と値幅調整完了を示唆している。「リターン・リバーサル」投資の拡大で初値倍率が第3位となったIPO時の高人気を再燃させ、昨年11月の有人宇宙システムの「MA-EYES」採用決定でストップ高した急騰場面の再現期待も強め、まず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの4900円を目指し、半値戻し、全値戻しとリバウンド幅を拡大させよう。(本紙編集長・浅妻昭治) 

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