【編集長の視点】マークラインズは続落も2ケタ続伸業績・連続増配を見直し初値割れ水準から反発余地

編集長の視点

マークラインズ<3901>(JQS)は、230円安の3165円と続急落して始まっている。きょう9日に日経平均株価が、前週末の米国株の大幅安を受けて237円安と急反落してスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いている。

ただ、同社の今12月期業績が、2ケタの連続増収増益、連続増配と予想されていることを見直し、昨年12月16日のIPO(新規株式公開)時につけた初値3510円割れは売られ過ぎとして下値に買い物も交錯している。

自動車株全般も、きょう9日にトヨタ自動車<7203>(東1)が反落するなど高値もみ合ってとなっているが、このところ市場の主力セクター株として人気を集めていることも、同社の展開している「自動車情報プラットフォーム」事業への連想買いにつながっている。

■燃料電池車投入など自動車産業の裾野が広がり自動車情報プラットフォームが好調

同社がIPO後の初決算として開示した前2014年12月期業績は、IPO時予想を上ぶれ前々期比23・6%増収、42.3%経常増益、43.5%純益増益と大きく続伸して着地した。続く今2015年12月期業績も、売り上げ12億6300万円(前期比19.9%増)、経常利益4億1500万円(同20.5%増)、純利益2億7000万円(同22.7%増)と予想、配当は、34円(前期実績28円)と連続増配を予定している。

前期業績は、同社のオンライン情報サービス「自動車情報プラットフォーム」事業の主力顧客群の日本の自動車産業が、円高是正で収益拡大と競争力復活を実現し、同プラットフォームの無料登録会員を含めた登録会員が、前々期比19.8%増の14万5000人となり、年間ページビューも、同20.9%増の2665万ページビューと伸び、タイ子会社の契約企業は193社増の1712社に拡大、コンサルティング、市場予測情報販売、人材紹介などのその他事業の売り上げも増加したことが上ぶれ着地要因となった。今期は、自動車安全技術の普及、燃料電池車の市場投入、さらに異業種からの自動車産業への参入など自動車産業の裾野が広がり、国内やタイ子会社での営業人員・スタッフの増員効果や、今年1月に営業を開始したドイツ子会社も加わって2ケタの増収増益を見込んでいる。

■25日線から6%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆し再騰含み

株価は、公開価格1980円に対して3510円で初値をつけ3670円まで買い進まれ、その後、IPO人気の一巡と期末配当取りでストップ安とストップ高を繰り返し、今年年初に上場来高値4900円をつけた。最高値後は、3055円まで売られたが、公開価格割れは下げ過ぎとして4335円の戻り高値をつけ25日移動平均線を出没する中段もみ合いを続けてきた。きょう9日の続落で25日線から6%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、初値水準奪回から一段の戻りを試そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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