インテージHDの第3四半期は、売上高は各事業とも順調だが、積極的な事業投資及びR&D活動費用の影響で減益

■今期通期連結業績予想の最終利益は過去最高益を見込む

 インテージHD<4326>(東1)の第3四半期は、売上高は各事業とも順調だが、積極的な事業投資及びR&D活動費用の影響で減益となった。

 同社グループは、今期からスタートした第12次中期経営計画において、グループ基本方針に「“Take the Initiative” ~データ活用の領域で先手を取れ~」を掲げ、更なる企業価値の向上を目指し、次世代サービス開発を加速させていくために、積極的な事業投資及びR&D活動を実行してきた。

 その結果、今期18年3月第3四半期連結業績は、売上高350億40百万円(前年同期比6.2%増)、営業利益24億02百万円(同14.5%減)、経常利益26億56百万円(同9.0%減)、純利益18億52百万円(同6.8%増)であった。

 事業別の業績は、マーケティング支援(消費財・サービス)事業は、カスタムリサーチの既存調査及びインターネット調査、官公庁案件などが好調に推移し増収となったが、利益面は、パネル調査の主力商品であるSRIのリニューアルやR&D活動など、データの価値向上およびサービス領域の拡大を目指すための投資を進めた結果、減益となり、同事業の連結業績は、売上高226億10百万円(同6.2%増)、営業利益9億78百万円(同27.4%減)となった。

 マーケティング支援(ヘルスケア)事業は、アスクレップにおいて医薬品の製造販売後調査が好調に推移した。アンテリオでは、プロモーション活動の評価サービスなどが引き続き好調に推移しているものの、カスタムリサーチを中心に業務量に足る人員確保が困難な状況にあり、一部業務の受注が減少しているが、全体では増収となった。利益面は、アンテリオにおいて既存サービスの商品価値向上のための投資を行ったほか前年まで発生していた大型案件の反動等の影響により減益となった。その結果、同事業の連結業績は、売上高84億円(同5.3%増)、営業利益は11億17百万円(同11.7%減)。

 ビジネスインテリジェンス事業は、旅行業界や出版業界向けの受注が堅調に推移したことで同事業の連結業績は、売上高40億29百万円(同7.7%増)、営業利益3億05百万円(同56.7%増)と大幅増益。

 第3四半期の売上は順調であるが、利益面では積極的な事業投資もあり減益となっている。しかし、ほぼ計画通りであることから、通期連結業績予想については前回予想を据え置いている。

 ちなみに、18年3月期通期連結業績予想は、売上高510億円(前期比6.3%増9、営業利益40億円(同6.3%減)、経常利益43億円(同2.1%減)、純利益29億円(同1.0%増)と最終利益は過去最高益を見込む。

 なお、配当については、好業績が見込めることから、実質2.5円増配の20円を予想している。

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