【株式評論家の視点】ハイレックスは上場来初の4000円接近

株式評論家の視点

 ハイレックスコーポレーション<7279>(東2・売買単位100株)は、長期下値切上げの展開で上場来初の4000円に接近となっている。今期第1四半期決算で、純利益が前年同期比2%減益になったと報じられたが、先行投資負担によるものであり、むしろ通期で前期比6%増益を変更していないことを評価できる。仮に株価が下押すような局面があれば、ここは絶好の拾い場と判断したい。

 経常利益は今期第1四半期で前年同期比5%増益となり、今期通期でも3%弱の増益を確保する見込みである。

同社は日本をはじめ米国、中国、欧州などの各自動車メーカーへ自動車用ケーブルを輸出供給している。海外での販売が好調で、2015年10月期第1四半期の売上高は584億5900万円(前期比20.3%増)となった。一方、営業利益は48億3300万円(同6.5%減)、経常利益は61億2200万円(同5.4%増)、純利益は41億4800万円(同2.3%減)となった。営業利益と純利益が減益となったのは新工場稼働に伴う減価償却費増加など先行投資の負担増加によるものである。また、経常利益は為替差益(8億9400万円)が発生したことにより増益を確保した。

さらに、今期通期の見通しは期初発表した売上高2158億円(前期比7.1%増)、営業利益180億6000万円(同2.7%減)、経常利益209億6000万円(同2.8%増)、当期純利益138億5000万円(同6.1%増)を変更していない。経費増加をカバーして概ね順調に推移する会社側は判断している。このように経常利益と純利益は増益をキープする。そして、何よりも先行投資が結実する来期以降の業績に対して期待すべきであろう。

いずれにしても、今期の予想一株当たり利益は364円55銭と高収益を誇る。これで計算した時価のPERは10.2倍。PBRは1.13倍といずれも低く、依然として評価不足の感は否めない。しかも同社株の浮動株比率は3.7%しかなく、小口の買い物が入ると、値動きは一気に軽さを増すことになる。株価は2014年10月の2691円を起点にジリ高歩調をたどり、2015年3月2日には3935円まで買い進まれた。幅にして約1200円も上昇しただけにここにきて3700円どころで一息を入れている。そして、今期第一四半期の純利益が減益という事でさらに下押すような局面があれば、そこは絶好の拾い場と判断したい。4000円台突破から一段高へ進むものとみられる。(志木克己)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る