【狙い場・買い場】丸大食品は伊藤忠商事と関係強化、今期32%増益

狙い場・買い場

 丸大食品は<2288>(東1)は、昨年秋から高値圏でモミ合いが続いている。

 伊藤忠商事を割当先として自己株式264万6000株(2.5%)を415円で処分すると発表。コンビニエンスストア分野を中心とした国内食品市場の取引拡大と、成長が見込まれる海外市場の事業基盤の強化を図ることへの期待感から注目したい。

同社は、ハム・ソーセージ事業(ロースハム、ボンレスハム、ベーコン、焼豚、プレスハム、ウインナーソーセージ、魚肉ハム・ソーセージ)、調理加工食品事業(惣菜、ピザ、デザート、レトルト食品)、食肉事業(牛肉、豚肉、鶏肉)を展開している。加工食品事業では、商品開発力の強化、コスト競争力の向上を推進すると共に、積極的な販売活動の展開により、同社ブランドの育成と浸透を図り売上の拡大に努めている。また、食肉事業では、食肉全般の需給動向を的確に捉え、消費者や顧客のニーズに合致した食肉販売の推進により、売上の拡大に取り組んでいる。

今2015年3月期・第3四半期業績は、売上高が1730億5000万円(前年同期比4.6%増)、営業利益が36億8800万円(同0.7%増)、経常利益が39億7600万円(同2.7%増)、純利益が20億6900万円(同3.3%減)に着地。加工食品事業でハム・ソーセージ部門、調理加工食品部門は、売上高は増加したものの、原材料価格の高騰等によるコスト上昇や競合他社との販売競争激化などの影響から営業減益。食肉事業は「エクセレントディナービーフ」などの米国産ブランド牛肉の販売注力が寄与し、全体としては営業増益を確保した。

通期業績予想は、売上高が2230億円(前期比4.4%増)、営業利益が38億円(同32.8%増)、経常利益が41億円(同33.2%増)、純利益が18億5000万円(同7.2%増)見通し。年間配当は期末一括7円を予定している。

株価は、昨年10月9日につけた昨年来の高値454円から同月16日安値394円まで短期調整。その後、400円処を下値モミ合っている。今回の提携先である伊藤忠商事とは長年にわたる取引関係にあるが、協力関係を強化し、既存ビジネスの拡大と新規ビジネスの創出を積極的に推進する。両社が原材料調達・商品開発・販売物流機能を結集することで競争力を強化し、コンビニエンスストア等を中心とした国内食品市場における取引拡大と、成長が見込まれる海外市場における事業基盤を強化していくことへの期待が膨らむ。伊藤忠系のファミリーマートとユニーGHDの統合が実現した場合、店舗数は国内首位に浮上することから、収益機会が増えるとの思惑が増幅する。PBR0.79倍と割り負けしており、高値奪回が視野に入ろう。

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