キムラユニティーは戻り歩調、18年3月期横ばい予想だが19年3月期の収益拡大期待

 キムラユニティー<9368>(東1)は、トヨタ自動車向け部品包装が主力の総合物流サービス企業である。18年3月期は横ばい予想で下振れ懸念だが、19年3月期の収益拡大を期待したい。株価は売り一巡して戻り歩調だ。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。

■トヨタ向け部品包装が主力の総合物流サービス企業

 トヨタ自動車<7203>の補修部品・KD部品の包装・物流、および一般物流請負のNLS(ニューロジスティクスサービス)を主力とする総合物流サービス企業である。自動車販売・リース・整備などの自動車サービス事業、物流分野における情報サービス事業、派遣・アウトソーシングなどの人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。

 17年3月期セグメント別売上構成比(連結調整前)は物流サービス事業が66%(うちトヨタ自動車16%、トヨタグループ24%、NLS20%)で、自動車サービス事業が31%、情報サービス事業+人材サービス事業+その他が4%だった。海外はトヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて米国、メキシコ、ブラジル、中国、タイに拠点展開している。

 17年9月には、スマートフォンを活用した安全運転の推進と企業のコンプライアンスを推進する法人向けクラウド型車両管理システム「くるまぷり」を開発し、販売開始した。17年11月にはオートプラザビット豊田上郷店をオープン、18年2月にはオートプラザビット刈谷店をリニューアルオープンした。

 中期重点強化事業としては深トヨタグループ事業、NLS事業、海外事業の売上拡大を目指している。中国では自動車保有台数の増加に伴い、自動車アフターマーケットにおける補修部品需要の拡大基調が予想される。

■18年3月期横ばい予想で下振れ懸念だが、19年3月期の収益拡大期待

 18年3月期の連結業績予想(10月13日に利益を減額修正)は、売上高が17年3月期比4.3%増の490億円、営業利益が1.1%増の17億30百万円、経常利益が0.9%増の19億80百万円、純利益が10.3%増の11億50百万円としている。配当予想は17年3月期と同額の年間27円(第2四半期末13円、期末14円)で、予想配当性向は28.3%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比3.3%増の358億70百万円、営業利益が17.8%減の10億46百万円、経常利益が15.0%減の12億92百万円、純利益が21.9%減の6億73百万円だった。

 物流サービス事業における包装事業および格納器具製品事業の受注量増加、自動車サービス事業におけるリース・メンテナンス契約台数の増加、国内子会社スーパージャンボにおける販売量の増加で増収だが、北米子会社における格納器具製品事業の主要顧客からの受注遅れ、自動車サービス事業の車両リース事業におけるリース満了車両の売却台数の減少と売却単価の下落などが影響して2桁減益だった。売上総利益率は15.5%で0.9ポイント低下、販管費比率は12.5%で0.3ポイント低下した。営業外では持分法投資利益が減少したが、為替差損益が改善した。

 物流サービス事業は、売上高が2.8%増の238億43百万円だが、営業利益が6.6%減の14億97百万円だった。利益面では北米子会社での売上減少が影響した。自動車サービス事業は、売上高が3.8%増の110億79百万円だが、営業利益が35.8%減の2億68百万円だった。利益面では車両リース事業におけるリース満了車両の売却台数の減少と売却単価の下落などが影響した。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が73.2%、営業利益が60.5%、経常利益が65.3%、純利益が58.5%とやや低水準である。18年3月期横ばい予想で下振れ懸念だが、19年3月期の収益拡大を期待したい。

■株主優待は3月末と9月末の年2回実施

 株主優待制度は毎年3月31日現在および9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、保有株数に応じて「お米券」を贈呈している。さらに500株以上を継続2年以上保有している株主に対しては、保有株数に応じて長期優待が上乗せされる。

■株価は売り一巡して戻り歩調、0.5倍近辺の低PBRも見直し材料

 株価は戻り高値圏1200円近辺から反落したが、2月16日の直近安値1075円から切り返している。18年3月期下振れ懸念や地合い悪化の売りが一巡して戻り歩調だ。

 3月8日の終値1153円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円29銭で算出)は12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2104円19銭で算出)は0.5倍近辺である。時価総額は約139億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線突破の動きを強めている。0.5倍近辺の低PBRも見直し材料だろう。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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