【編集長の視点】BS11は分割落ち後高値を窺う、東証第1部指定替えで好需給思惑が再燃

編集長の視点

 BS11(日本BS放送)<9414>(東1)は、きょう12日に東証第2部から東証第1部に指定替えされ売買がスタートしたが、前日の東証2部終値に対して26円高の1269円で寄り付いて急反発、今年3月10日につけた株式分割権利落ち後高値1282円を射程圏に捉えている。東証1部指定替えに伴い東証株価指数(TOPIX)に算入されることを先取り、TOPIX連動型のファンドの買い需要が発生する需給好転思惑を高めて買い物が再燃している。今8月期経常利益の続伸が予想され、配当も増配を予定していることも内需関連株買いにつながっている。

■業績は番組改編効果などが寄与して続伸し配当も増配

同社の株価は、昨年7月31日を基準日に実施した株式分割(1対2)を歓迎して上場来高値2234円をつけ2163円で分割権利を落とした。権利落ち後は、1124円高値から861円まで調整したが、今年1月開示の今期第1四半期(1Q)決算が、期初予想の第2四半期(2Q)累計業績に対して58~53%と順調な利益進捗率を示したことを評価して1000円台を回復、東証1部指定替え承認とともに窓を開けて急伸、分割権利落ち後高値追いとなった。

1Q業績は、前年同期比15.4%増収、40.4%経常増益、1.4%純益減益となった。2011年7月の地上テレビ放送完全デジタル化をキッカケにBSデジタル放送の視聴可能世帯数割合が、全世帯の70.5%に高まっており、昨年10月の番組改編で接触率の向上のためレギュラー番組をリニューアル、メーンの旅行番組、ゴルフ番組に新たなタレントを起用、スポーツコンテンツでも柔道、卓球などの若手有望選手に密着した番組を充実させ、費用面では引き続き番組関連費用などを効率的にコントロール、全国紙・地方紙への広告出稿を戦略的に実施したことなどが要因となった。

今8月通期業績は期初予想に変更はなく、売り上げ88億円(前期比11.8%増)、営業利益18億4000万円(同8.7%増)、経常利益18億円(同7.4%増)と続伸を予想している。純利益は、前期に繰越欠損金が解消したことで税負担が増加して11億円(同11.3%減)と連続減益を見込んでいるが、配当は、13.5円(前期実績12.5円)と増配を予定している。

■分割勘案の実質では最高値を更新し権利落ち埋めに拍車

株価は、株式分割を勘案すると実質で昨年7月につけた上場来高値を更新しているが、TOPIX算入による需給好転の現実買いが加わりことから、テクニカル的に分割落ちを埋め上値追い展開に拍車が掛かりそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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