【編集長の視点】日宣は上場来安値から反発、業績の小幅下方修正を織り込み「リターン・リバーサル」の打診買いが入る

編集長の視点

 日宣<6543>(JQS)は、祝日前の20日に4円高の1777円と反発して引けた。同社株は、今年1月15日に目下集計中の2018年2月期業績の小幅下方修正を発表し、期末の配当権利落ちも重なって今年3月19日につけた上場来安値1773円まで約400円幅の調整を続けたが、昨年2月の新規株式公開(IPO)時の公開価格1600円を前に、売られ過ぎとして大きく下げた株ほど大きく戻すとする「リターン・リーバーサル」投資の打診買いが入った。前期業績の決算発表を4月13日に控え、ベンチャーファンドに出資しデジタル領域の開拓を強化するなどの成長戦略なども、次期2019年2月期業績への期待を高めている。

■住まい・暮らし業界向けは2019年の消費税引き上げを控え持ち直し有力

 2018年2月期業績は、期初予想より売り上げが3億1100万円、営業利益が9700万円、経常利益が6700万円、純利益が1700万円それぞれ小幅下方修正され、売り上げ47億1400万円(前期比0.5%増)、営業利益3億3000万円(同12.0%減)、経常利益3億6100万円(同13.5%減)、純利益6億4600万円(同2.49倍)となった。同社は、業界特化型の広告代理店としてセールスプロモーションを提供しており、放送・通信業界のケーブルテレビ局向けなどが堅調に推移したものの、前期に既存顧客からの大型キャンペーンの受注があった住まい・暮らし業界、医療・健康業界向けに同規模の受注獲得がなかったことが小幅下方修正要因となった。ただ、純利益は、旧本社建物・土地を売却した譲渡益5億8829万円を計上し、前期の過去最高を大幅に更新する。また、配当も、配当性向30%をメドとする株主還元方針に基づき42円(前期実績38円)に増配した。

 続く次期2019年2月期業績の動向については、今年4月13日予定の2月期決算発表時のガイダンスを待つ必要があるが、住まい・暮らし業界向けでは、2019年10月予定の10%への消費税引き上げを控え住宅の駆け込み需要の取り込みに住宅業界のセールスプロモーションが活発化することも予想され増益転換する可能性が強い。純利益は、固定資産売却益の一巡で減益転換するが、それでも2017年2月期レベルを上回り、東洋経済会社四季報最新号では、2億7000万円、配当も42円~46円の連続増配含みと観測している。

 なおベンチャーファンドへの出資は、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル「500 Startups」の日本ファンドが、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を国内9000社以上に提供しているSmart HR社に投資する目的で組成したファンドに1億円出資するもので、有力なスタートアップ企業とネットワークを構築するとともに、協業によりデジタルテクノロジー領域を開拓、同社が成長戦略として掲げている「デジタルシフト」を強化させる。

■底もみは小幅化しダメ押しの最安値から陰の極脱出のバリュー株買いが再燃 

 株価は、昨年2月のIPO時に1600円の公開価格に対して3000円で初値をつけ上場来高値3030円まで買い進まれ、その後は、2400円台での小幅ボックス相場、2100円台での小幅ボックス相場と水準を下げ、2018年2月期業績の下方修正と配当権利落ち、さらに第1波、第2波と続いた世界同時株安が重なって1800円台へ急落した。ただこの1800円台での底もみは小幅化し上場来安値1773円でダメ押しをして陰の極を示唆した。バリュー的にも2018年2月期ベースの実績PERは5倍台、配当利回りも2.36%と売られ過ぎであり、次期32019年2月期業績への期待も高め陰の極から「リターン・リバーサル」買いの底上げトレンドが加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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