パシフィックネットは高値圏で乱高下

 パシフィックネット<3021>(東2)は、法人向けにIT機器の調達・導入、ネットワーク構築、運用・保守、データ消去、引取回収をワンストップで提供するLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化し、フロー型からストック型への収益構造転換を推進している。18年5月期第2四半期累計は黒字化した。株価は06年来高値圏まで急伸し、その後も高値圏で乱高下する形だが、目先的な過熱感が解消している。なお4月13日に第3四半期決算発表を予定している。

■IT機器のLCMサービスを強化

 法人向けにPC・タブレット・モバイル等のIT機器の調達・導入、キッティング(事前設定)、ネットワーク構築、運用・保守、使用済みIT機器の引取・回収、データ消去・消去証明書発行、リユース・リサイクルを行うLCM(ライフサイクルマネジメント)サービスを強化している。

 使用済みIT機器の引取・回収、データ消去、再生、リユース販売中心の「フロー型」から、新品IT機器の長期レンタル型の調達・導入、キッティング、運用・保守を中心とした「ストック型」への収益構造転換を推進している。

 15年10月2B(トゥー ビー)を設立してBtoB専門総合通信サービス事業に進出、17年6月M&Aアドバイザリ・仲介サービス事業を行う子会社エムエーピー(MAP)を設立した。17年11月には取締役会で店舗部門の縮小と法人向けLCM事業のさらなる強化の方針を決議した。店舗部門は市場動向把握のための一部店舗を残して順次閉店する。17年12月にはガイド用無線レシーバーを中心としたレンタル・販売・保守サービスを展開するケンネットを子会社化した。

 18年2月には有料職業紹介事業(人材紹介事業)の開始を発表した。またPCIホールディングス<3918>と提携して革新的サイバーセキュリティ製品「AppGuard」の提供を開始すると発表した。

 3月12日には、ガイド用無線機器の製造・販売・レンタルを行っている子会社ケンネットが、ソースネクストの通訳デバイス「POCKETALK(ポケトーク)」のレンタル・販売を開始したと発表している。3月19日には、記憶媒体のデータ消去作業を効率化させるとともに、消去証明書発行を完全自動化する新たな業務システム「Secure Gate Ver1.0」を、4月から運用開始すると発表した。

■18年5月期2Q累計黒字化

 18年5月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比2.8%減の21億87百万円、営業利益が64百万円の黒字(前年同期は65百万円の赤字)、経常利益が63百万円の黒字(同56百万円の赤字)、純利益が38百万円の黒字(同53百万円の赤字)だった。

 LCMサービスの受注拡大、選別受注などの収益管理強化、新たな東京テクニカルセンターによる付加価値・生産性の向上、支店・店舗統廃合によるコスト削減などの効果で黒字化した。

 LCM事業は売上高が10.0%増の8億34百万円で、営業利益が12.1%減の1億28百万円だった。積極的な営業展開で増収だが投資負担で減益だった。リユース事業は売上高が10.1%減の13億41百万円で、営業利益が1億04百万円の黒字(同13百万円の赤字)だった。使用済みパソコン入荷台数が減少して売上は低調だが、収益重視での回収案件の受注、生産性向上、店舗統廃合によるコスト削減、在庫圧縮による回転率向上などの効果で黒字化した。

 その他事業は売上高が11百万円で営業利益が7百万円の赤字だった。M&Aアドバイザリ事業で計2組の案件が成約した。

■株価は高値圏で乱高下だが目先的な過熱感解消

 株価は3月13日に06年来高値圏となる1294円まで急伸した。その後も高値圏で乱高下する形だ。目ただし日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消している。3月23日の終値は1027円、時価総額は約53億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る