ミロク情報サービスは2月高値に接近、18年3月期増収増益予想で19年3月期も収益拡大基調

 ミロク情報サービス<9928>(東1)は、財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野も強化している。18年3月期増収増益予想である。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。株価は日柄調整完了して2月の上場来高値に接近している。上値を試す展開が期待される。

■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力

 会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。

 17年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が62%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入など継続的な役務の対価)が34%、その他が4%だった。

 会計事務所が抱えている課題を解決することで中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。長期目標として21年3月期売上高500億円、経常利益率30%、ROE30%を目指している。

■クラウドサービスやFinTech分野も強化

 中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」を構築し、振込、請求書発行・入金消込、給与明細配信、アカウントアグリケーション、資金繰り管理など、新たなFinTech分野サービスを「bizsky」上で展開している。

 17年5月には新たなFinTech分野のサービス構想に向けて、韓国BrilliantTS社および韓国NFC社と資本業務提携した。17年6月にはソラミツが開発したブロックチェーン基盤「Hyperledger Iroha」のユースケース・パートナーとして参画した。

 子会社のビズオーシャンは、音声AIを活用して報告書や業務日報などのビジネスドキュメントを手軽に作成する新サービス「SPALO(スパロ)」を開発し、17年10月から提供開始した。

 17年11月には新生銀行と資本業務提携した。MJS製品における金融サービス開発および地域金融機関への展開で連携する。またFinTech企業を支援するため、新たなファンド事業への参画も検討する。

 なお3月30日には、小規模事業者を対象とした口座情報や各種取引情報の自動取得を可能とするクラウドサービス「MJSお金の管理」の提供を開始した。中小企業の経営・業務改善を支援する「bizskyビジネス・プラットフォーム」上で稼働するサービスだ。

■18年3月期増収増益予想、19年3月期も収益拡大基調

 18年3月期連結業績予想は、売上高が17年3月期比4.1%増の273億円、営業利益が7.2%増の44億円、経常利益が9.7%増の44億円、そして純利益が9.3%増の28億60百万円としている。システム導入契約売上高、サービス収入とも順調に拡大して増収増益予想である。配当予想(2月2日に期末2円増額)は2円増配の年間27円(期末一括)で、予想配当性向は29.5%となる。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比7.3%増の211億08百万円、営業利益が22.9%増の39億19百万円、経常利益が21.3%増の38億76百万円、純利益が17.9%増の24億51百万円だった。システム導入契約売上高、サービス収入とも好調に推移して大幅増益だった。差引売上総利益率は66.3%で0.1ポイント上昇、販管費比率は47.7%で2.3ポイント低下した。営業外では持分法投資損失が増加し、特別損失では投資有価証券評価損を計上した。

 品目別売上は、システム導入契約売上高が6.6%増収(ハードウェアが18.0%増収、ソフトウェアが3.9%増収、ユースウェアが4.8%増収)で、サービス収入が6.1%増収(会計事務所向け総合保守サービスのTVSが1.8%増収、ソフト使用料が9.7%増収、企業向けソフトウェア運用支援サービスが9.5%増収、保守サービスが2.2%増収、サプライ・オフィス用品が0.3%減収)だった。

 通期会社予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が77.3%、営業利益が89.1%、経常利益が88.1%、純利益が85.7%と高水準である。ストック型収益構造であることも考慮すれば、通期会社予想は増額の可能性が高いだろう。そして19年3月期も収益拡大基調だろう。

■株価は日柄調整完了して上値試す

 株価は3月26日の直近安値2807円から切り返し、4月4日には3350円まで上伸した。そして2月の上場来高値3590円に接近している。日柄調整が完了したようだ。

 4月4日の終値3315円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想連結EPS91円48銭で算出)は約36倍、前期推定配当利回り(会社予想の年間27円で算出)は約0.8%、前々期実績連結PBR(前々期実績の連結BPS474円72銭で算出)は約7.0倍である。時価総額は約1154億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなった。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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