【編集長の視点】ムゲンエステートは分割権利落ち後高値を射程、連続最高業績・増配をテコに内需系超割安株買いが増勢

 ムゲンエステート<3299>(東1)は、前日5日に4円高の1372円と8営業日続伸して引け、今年3月14日につけた株式分割権利落ち後高値1412円を射程圏に捉えた。今2018年12月期業績が、連続して過去最高を更新し、配当も連続増配が予想されることを手掛かりにディフェンシブ関連の割安株買いが増勢となった。また推進中の中期経営計画でも、設立30周年を迎える最終年度の2020年12月期に向け、中古不動産流通業界のパイオニアとしてさらに高成長を続ける積極政策を展開することも、合わせて買い評価されている。

■棟賃貸マンションや一棟オフィスビルの販売件数が拡大し販売単価も上昇

 同社の今12月期業績は、売り上げ762億8400万円(前期比20.0%増)、営業利益79億5900万円(同11.8%増)、経常利益72億2200万円(同11.5%増)、純利益46億3900万円(同8.5%増)と連続2ケタ増の高成長が予想され、純利益は連続して過去最高を更新、配当も、年間30円(前期実績25円)への連続増配を予定している。東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の首都圏1都3県に特化して中古不動産を買い入れ一棟賃貸マンションや一棟オフィスビルなどの投資物件に再生するビジネスモデルが追い風を受け、さらに売り上げを伸ばすことが要因となる。前期は、初めて一棟オフィスビルの売り上げが一棟賃貸マンショの売り上げを上回ったが、今期の不動産販売事業は、販売件数が前期比22件増の340件、平均販売単価が、同じく15.4%増の1億8940万円と続伸し、販売単価が10億円を超える大型物件の取り扱いも増える。

 また、今期から3カ年計画で推進する中期経営計画では、一棟オフィスビルを新たな収益の柱とする「進化」と、買取活動から販売活動まで一貫して責任を持つ営業一貫責任体制を強化する「深化」、海外不動産投資家向けの販売を担当する外国人採用を進める「新化」の3つの「シンカ」に注力し、今年2月から提供を開始した相続対策向けの新商品「らくらくリースバック」なども加わり、さらに業績を拡大、最終年度の2020年12月期の純利益は、50億円と高成長を目標にしている。利益配分についても、最終年度までに配当性向20%程度(前期配当性向14.2%)を目標に段階的に引き上げる。

■PER7倍台の超割安修正でまず2016年の株式分割の権利落ち埋めを目指す

 株価は、好決算の四半期決算発表のたびに上値評価され、昨年11月の前期第3四半期業績に反応して1258円高値をつけ、配当権利落ち後安値1121円安値からも1288円まで買い直されたが、世界同時株安の影響で999円安値に突っ込んだ。同安値後は、売られ過ぎとしてリバウンド、今期業績の連続過去最高を更新する今期業績の発表とともに、1387円高値まで買い進まれ、高値もみ合いのあと1412円高値へ切り返し右肩上がりの上昇トレンドを続けた。同高値は、2016年6月30日を基準日に実施した株式分割(1株を2株に分割)の権利落ち後高値となっており、まず権利付き最終値1905円への権利落ち埋めに向けPER7倍台の超割安修正が続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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