【編集長の視点】東証1部へ市場変更の竹内製は需給好転に業績上ぶれ着地期待がオンして反発

編集長の視点

 竹内製作所<6432>(東1)は、きょう16日にジャスダック市場(スタンダード・JQS)から東証第1部に市場変更されて売買が始まったが、前週末13日のJQS終値に対して90円高の5160円と変わらずを含めて3営業日ぶりに反発、昨年10月につけた昨年来高値5400円を視界に捉えている。市場変更に際して新株式発行などの希薄化材料を伴わず、市場変更後に東証株価指数(TOPIX)に算入され、TOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生することを先取り買い再燃となっている。目下集計中の前2015年2月期業績が、昨年10月の上方修正値を上ぶれ、過去最高純益を更新して着地すると観測されていることも割安修正期待を高めている。

■集計中の前2月期純利益は7期ぶりに過去最高更新も観測

同社の前2015年2月期業績は、昨年10月に上方修正され売り上げ670億円(前々期比25.0%増)、営業利益96億4000万円(同2.17倍)、経常利益96億4000万円(同49.0%増)、純利益59億1000万円(同27.8%増)と予想された。世界で初めて開発したミニショベルなどの建設機械の9割の販売先が海外となっており、米国、英国、フランスなどで販売台数が増加し、為替レートを期初予想の1ドル=98円、1ポンド=160円、1ユーロ=135円から、対ユーロでは据え置いたものの、対ドルでは104円、対ポンドでは172円と円安方向で見直したことが上方修正要因となった。

この通期業績も、今年1月に発表した前期第3四半期(3Q)の好決算からさらに上ぶれが観測されている。3Q業績が、前年同期比29.6%増収、同2.55倍営業増益、95.9%経常増益、64.7%純益増益と大幅続伸し、2月通期業績に対して82%~98%の高利益進捗率を示したためだ。同社自体は10月の上方修正値を据え置いたが、東洋経済会社四季報の最新号では、純利益を72億円として2008年2月期の過去最高(64億8500万円)を7期ぶりに更新すると観測している。今年4月中旬に発表を予定している決算発表では続く2016年2月期業績の続伸も見込まれており、株価の割安放置が鮮明となる。

■PERは14倍台と割安で上値フシ抜けから2007年高値も意識

株価は、昨年10月の昨年来高値5400円から前期業績の上方修正・増配、さらに四半期業績の大幅続伸などの好材料が続いたものの、織り込み済みとして4260円まで調整、東証1部への市場変更と記念配当の増配で5250円の戻り高値をつけ5000円台を出没している。PERは14倍台と割安であり、昨年来高値奪回でこの8年来の上値フシを上抜くことから2007年7月高値7350円を意識する動きを強めよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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