【編集長の視点】アグロ カネショウは製品の相次ぐ適用拡大で1Q決算発表を先取りして反発

編集長の視点

 アグロ カネショウ<4955>(東1)は、前週末11日に13円高の2715円と反発して引け、今年4月27日につけた上場来高値2895円を再び意識する動きを強めた。同社株は、前週末11日に今2018年12月期第1四半期(2018年1月~3月期、1Q)決算の発表を予定しており、これに先立って今年2月以来、製品の適用拡大を相次いで発表しており、1Q業績への期待を高め、バリュー株買いが再燃した。その11日大引け後に開示された今期1Q業績も、売り上げは続伸し、利益は減益転換したものの、今期第2四半期(2018年1月~6月期、2Q)予想累計業績に対して順調な進捗率を示して着地しており、フォローの材料となりそうだ。

■今年2月以降、10品目が適用拡大され1Q利益進捗率は目安の50%を上回る

 同社は、果樹と野菜に特化するニッチ・トップの農薬メーカーで、成長戦略として創薬のための研究開発と海外展開とを積極化するとともに、世界的な大手農薬メーカーの再編に伴う導出製品の買収、製品の再評価制度による農薬の適用拡大などを進め、ポートフォリオの充実を図っている。この適用拡大は、今年2月以降に10品目にわたって農薬登録されており、例えば今年4月25日には殺虫剤「兼商サムコルフロアブル10」は、作物名「りんご」に適用病虫害名「オオタバコガ」が、作物名「もも」、「ネクタリン」に適用病虫害名「コスカシバ」がそれぞれ追加された。

 一方、11日大引け後に開示された今期1Q業績は、売り上げ48億5400万円(前年同期比2.4%増)、営業利益9億8800万円(同13.7%減)、経常利益9億5200万円(同15.4%増)、純利益6億7500万円(同4.0%減)で着地した。売り上げは、増収転換し、利益は、減益転換したが、今期2Q累計予想業績に対して52%~67%の進捗率と目安の50%を上回った。売り上げの58%(前期実績)を占める土壌消毒剤が、国内は苦戦したものの、海外市場で順調に売り上げを伸ばし、2015年1月から開始した土壌診断サービスが、分析点数、分析手数とも伸びていることなどが要因となった。

 今12月期2Q累計・通期業績は、期初予想を据え置き、このうち12月期通期業績は、売り上げ159億200万円(前期比9.0%増)、営業利益23億7100万円(同13.1%増)、経常利益23億7900万円(同13.6%増)、純利益13億1600万円(同31.5%減)と見込んでいる。純利益は、前期に東京電力福島第一原子力発電所の事故で被災した同社福島工場を汚染土の中間貯蔵施設として譲渡し受取補償金12億9100万円などを特別利益に計上した反動で減益転換するもので、これを除くと前期の過去最高利益(19億2200万円)を実質では更新する。

■25日線でのスピード調整一巡に信用好需給がオンして最高値抜けから上値トライ

 株価は、今年年初の配当権利落ち後安値2089円から今期予想業績が市場コンセンサスを上回り、製品の適用拡大もオンして2540円高値まで2割高して上昇トレンド継続を鮮明化し、その後、世界同時株安の波及時にも25日移動平均線で下値を確認しつつ上値を追い、4月27日の製品適用拡大で上場来高値2895円まで買い進まれた。足元では、25日線水準でのスピード調整中だが、この調整一巡に薄目ながら逆日歩のつく信用好需給もサポートし最高値奪回から一段の上値トライに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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