【編集長の視点】ブライドパス・バイオは「ITK-1」の臨床結果を織り込み主要パイプラインの開発を買い直して急反発

編集長の視点

 ブライドパス・バイオ<4594>(東マ)は、前日12日に10円高の363円と急反発して引け、今年6月5日、6日、7日と3日続けて叩いた年初来安値338円からの底上げを鮮明化させた。同社株は、今年5月17日に前立腺がん患者を対象とするペピチドワクチン「ITK-1」の国内第Ⅲ相臨床試験の結果を発表し、主要項目を達成できなかったとしたことを失望し3日間のストップ安を交えて半値水準まで急落し年初来安値に突っ込んだ。ただこの大幅下げで悪材料は織り込み済みとして今2019年3月期の研究開発費を拡大させ、米国で進めている「GRN-1201」の第Ⅱ相臨床試験などのパイプラインの開発を手掛かりに底値買いが増勢となった。テクニカル的にも、株価水準が、年初来高値968円から底打ちを示唆する「半値八掛け2割引き」目前にあり、低位値ごろ材料株人気を高めると期待されている。

■がん免疫治療のパイプライン開発へ向け今期研究開発費は前期比51%増

 「IKT-1」は、富士フイルムに導出したがんペプチドワクチンで、同社から委託され前立腺がんの患者に対してプラセボ(偽薬)を比較対照群として有効性と安全性を評価する目的で第Ⅲ相二重盲検比較試験を実施してきた。その開鍵の結果、主要評価項目である全生存期間に関して、プラセボ群と比較して統計学的に有意な改善効果が認められなかった。今後の方針については、臨床試験データを詳細に分析して富士フイルムが検討する。

 同社のパイプラインの開発は、この「IKT-1」のほかにも数多く進められている。メラノーマを適用症とする4種ペプチドワクチン「GRN-1201」は、第Ⅱ相臨床試験を実施中で、米国で免疫チェックポイント抗体との併用試験を推進し、効果的な複合療法の実現と早期のライセンスアウトを目指している。がん細胞に発現されるがんの特異的な抗原であるネオアンチゲンに関しては、非小細胞肺がんを適応症にネオアンチゲンの開発を進め、国立がん研究センターとは完全個別のがんワクチン創製を進め、東京大学、神奈川県立ガンセンターとはネオアンチゲンの同定精度を高める共同研究を行っている。

 既存の開発テーマに加え、がん免疫療法分野へ研究領域を拡大させるこのパイプライン開発に向け、同社の今2019年3月期の研究開発費は、19億円と前期の12億5300万円から51%増と積極継続する。このため今期業績は、売り上げ1億5000万円(前期比57.7%減)、営業利益22億円の赤字(前期は15億6100万円の赤字)、経常利益22億円の赤字(同15億7300万円の赤字)、純利益22億円の赤字(同15億7700万円の赤字)と水面下の推移を見込んでいる。ただ同社がパイプライン開発の開発領域を拡大して積極化しているがん免疫治療薬の世界の市場規模は、2025年に約10兆円に成長すると観測されているだけに、バイオ・ベンチャーとしての成長可能性は高い。

■「半値八掛け2割引き」水準目前で「リターン・リバーサル」買い妙味を示唆

 株価は、年初来高値968円から世界同時株安の波及で635円安値へ調整、売られ過ぎとして852円高値まで買い直されたものの、今期業績の水面下予想で下値を探り、「ITK-1」の臨床試験結果発表で年初来安値338円に突っ込んだ。同安値は、アノマリー的に底打ちとされる高値からの「半値八掛け2割引き」目前の水準であり、底値での突っ込み買い妙味を示唆している。年初来高値から5カ月目を通過して日柄調整もほぼ一巡しており、下げた株ほどよく戻るとする「リターン・リバーサル」買いが増勢となり、底上げが加速しそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

最新記事

カテゴリー別記事情報

     

    新着記事

    ピックアップ記事

    1.  大型連休中の先週、野菜などで作った代替肉の食品メーカー、ビヨンド・ミートが米国でNASDAQ…
    2. ■前3月期の営業利益2.1倍など業績の大幅回復とともに注目強まる ミサワホーム中国<17…
    3. クリナップ<7955>(東1)は、3月5日から3月8日まで東京ビッグサイトで開催された「建築・建材…
    2019年9月
    « 8月    
     1
    2345678
    9101112131415
    16171819202122
    23242526272829
    30  

    アーカイブ

    IRインタビュー 一覧

    Eストアーの石村賢一社長に聞く アイビーシーの加藤裕之社長に聞く ピクスタの古俣大介社長に聞く メディカル・データ・ビジョンの岩崎博之社長に聞く イワキの岩城慶太郎副社長に聞く ヨコレイの西山敏彦社長に展望を聞く 平山の平山善一社長に近況と展望を聞く アンジェス MGの山田 英社長に聞く CRI・ミドルウェアの押見正雄社長に聞く 京写の児嶋一登社長に聞く

    アーカイブ

    「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
    また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
    ページ上部へ戻る