ビューティガレージは急伸して戻り高値圏、19年4月期2桁営業増益・連続増配予想

 ビューティガレージ<3180>(東1)は、美容サロン向け美容商材ネット通販の最大手で、アジアNO.1のIT美容商社を目指している。18年4月期は大幅増収増益・増配だった。リピート顧客が増加基調で19年4月期も2桁営業増益予想、そして連続増配予想である。これを好感して株価は急伸している。戻り高値圏だ。

■美容サロン向け美容商材ネット通販の最大手

 理美容室、エステサロン、ネイルサロン、リラクゼーションサロンなど全国の美容サロン向けに、業務用理美容・エステ機器(スタイリングチェア、シャンプーユニット、パーマ機器、エステスチーマーなど)や、業務用化粧品・消耗品(ヘアケア製品、エステティック化粧品、マッサージオイル、ネイル商材など)を販売するプロ向け美容商材の物販事業を主力としている。

 販売チャネルは、日本最大級のプロ向け美容商材ネット通販サイト「BEAUTY GARAGE Online Shop」でのオンライン販売(=EC)を主力に、カタログ通販および全国のショールームでの販売も展開している。

 IT(ネット通販)とリアル(ショールームでの販売)を融合連携させたBtoBビジネスモデルで、美容サロン向け美容商材ネット通販の最大手である。中間流通を省いたダイレクト販売と大量一括購入による国内最安値保証、自社開発の「WEB&リアル店舗連動型」基幹POSシステム、自社物流センターによる一元管理、中古・格安PB商品と開業支援ソリューションで新規開業者を集める仕組み、物販とソリューションのワンストップサービスでリピート利用に繋げる仕組みなどを強みとしている。

 子会社は、タフデザインプロダクトがサロン店舗設計・施工事業、アイラッシュガレージがアイラッシュ(まつ毛エクステ)商材卸売および開業・経営支援事業、BGパートナーズがファイナンスサポートおよび店舗リース・転貸サービスの「サロンまるごとサポート」リース事業を展開し、17年11月タフデザインプロダクトが金属製家具・用品製造販売の足立製作所を子会社化した。

■アジアNO.1のIT美容商社を目指す

 中期経営計画では「アジアNO.1のIT美容商社」目指し、目標数値に20年4月期売上高145億円、経常利益10億円、経常利益率6.9%を掲げている。

 成長戦略として「IT+物流」ソリューションの進化、リピート商材(化粧品・材料)拡充による「フロー&ストック型収益構造」への転換、ビューティサロン向け「開業+経営支援」サービス領域拡大、グローバル市場への本格進出を推進している。

 「IT+物流」ソリューションの進化では、18年5月に新ECサイトおよび新基幹システムが稼働した。

 サービス領域拡大では、16年3月ノーリツ鋼機<7744>の子会社で歯科業界カタログ通販大手のフィード社と業務提携して歯科・医療機関向け機器・材料等をOEM受託、16年11月アトラ<6029>と業務提携して鍼灸接骨院向けに販路を拡大、17年11月フィード社と共同で歯科診察用チェアを開発してフィード社から販売開始、17年12月クレジットエンジン社と業務提携して同社のオンライン融資サービス「LENDY」を活用したサービスを提供開始した。

 海外展開は、海外販売代理店方式=海外ディストリビュータ経由での輸出販売、越境EC代行方式=海外顧客向け購入代行ソリューションサービス導入、自社での越境EC方式=自社ECサイトの多言語版構築の3方向で推進する。17年12月には美容商材関連事業を展開するシンガポールのHARU社を子会社化(ビューティガレージ・シンガポールに社名変更)した。

■美容サロン新規開業が集中する第4四半期(2~4月)の構成比が高い特性

 収益の季節要因として、美容サロンの新規開業が集中して美容機器の需要が高まる第4四半期(2~4月)の構成比が高い一方で、年末年始で美容機器の需要が減少する第3四半期(11~1月)の構成比が低いという特性がある。また物販事業の売上総利益率は為替による輸入仕入コスト変動の影響を受ける傾向がある。

■リピート顧客が増加基調

 18年4月期末の物販事業登録会員口座数は17年4月期末比3万6109口座増加の34万5229口座、このうち過去1年間に1回以上購入履歴のあるアクティブユーザー数は7493口座増加の9万8169口座、過去1年間に6回以上購入履歴のあるロイヤルユーザー数は4826口座増加の2万4524口座、EC売上構成比率は1.6ポイント上昇の68.7%だった。

 ロイヤルユーザー数が大幅増加した。また15年6月プロ向け美容業界の商材仕入用として導入した業界初のスマホ用バーコード発注アプリ「BGスマート発注」も寄与してEC比率が上昇している。

 18年4月期の物販事業の製品別売上高構成比は、PB機器・用品が43.5%、PB化粧品・材料が14.0%、NB機器・用品が14.3%、NB化粧品・材料が26.4%、中古品が1.7%だった。

 PB製品売上構成比率は0.1ポイント低下の57.5%、化粧品・材料売上構成比率は4.0ポイント上昇の40.4%となった。フロー&ストック型収益構造への転換を目指したラインナップ拡充効果により、安定収益源で四半期別売上高の平準化にも繋がる化粧品・材料売上構成比率が40%を超えた。

■18年4月期大幅増益・増配、19年4月期2桁営業増益・連続増配予想

 18年4月期の連結業績は、売上高が17年4月期比21.1%増の116億80百万円、営業利益が16.6%増の6億48百万円、経常利益が22.1%増の6億53百万円、純利益が43.0%増の4億49百万円だった。計画超の大幅増収増益だった。配当は2円増配の年間9円(期末一括)とした。配当性向は11.9%となる。

 フロー&ストック型収益構造への転換を目指したリピート商材の大幅拡充、美容業界向け各種展示会への出展、大阪総合ショールームの開設、東京本社総合ショールームの大幅リニューアル、通販カタログ4種の発刊、さらに「開業+経営支援」サービス領域拡充などの施策が奏功し、ロイヤルユーザー数が24.5%増加した。

 セグメント別に見ると、物販事業は売上高が21.8%増の89億68百万円で営業利益が33.5%増の7億80百万円だった。ラインナップ拡充効果で化粧品・材料売上高が35.2%増と大幅伸長し、物販事業における構成比が40%を超えた。PB製品売上高も21.6%増と伸長した。

 店舗設計事業は売上高が22.9%増の24億71百万円で営業利益が11.6%増の1億36百万円と拡大した。大型案件の受注で売上総利益率は低下した。その他周辺ソリューション事業は売上高が9.7%減の2億40百万円で営業利益が2百万円(17年4月期は60百万円)だった。集客支援サービスが低調だった。

 19年4月期の連結業績予想は、売上高が18年4月期比16.6%増の136億20百万円、営業利益が14.7%増の7億42百万円、経常利益が14.5%増の7億46百万円、純利益が5.4%増の4億71百万円としている。配当予想は1円増配の年間10円(期末一括)としている。予想配当性向は13.5%となる。

 新ECサイトの利便性・魅力度向上によるネット経由受注の底上げ、新基幹システム(ERP)の円滑運用による業務効率の向上、物流センターのオートメーション化による生産性向上とフルフィルメント事業拡大、グローバル市場(18年7月シンガポール、18年8月マレーシアで本格営業開始)への本格展開、M&Aや資本・業務提携の推進、商品ラインナップの拡充強化などの施策を推進する。引き続き好業績が期待される。

■株主優待制度は毎年4月末に実施、1年以上継続保有株主が対象

 株主優待制度は、毎年4月30日現在で1単元(100株)以上を1年以上継続保有(4月および10月の株主名簿に連続3回以上記載)する株主を対象として、該当株主1名につき希望小売価格3000円相当分の当社オリジナルブランド商品を贈呈する。

■株価は急伸して戻り高値圏

 18年3月16日に、SBI証券を割当先とする第6回新株予約権(行使価額修正条項付、4000個=40万株)および第7回新株予約権(行使価額修正選択権付、2000個=20万株)の発行を発表した。18年6月6日時点で第6回新株予約権の行使が完了した。

 株価は4月高値3295円から反落して調整局面だったが、好業績を評価する形で6月15日に2798円まで急伸した。戻り高値圏だ。

 6月15日の終値2722円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS73円88銭で算出)は約37倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間10円で算出)は約0.4%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS495円60銭で算出)は約5.5倍である。時価総額は約169億円である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインの形となった。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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