【クリナップの竹内社長語る】「商品力はあるのに営業力が」と言われ、もう一度営業部門の活力復活を目指す

◆ブランドも一新し「STEDIA(ステディア)」などデザイン性も一段と向上

 クリナップ<7955>(東1)では2018年4月、新社長に竹内宏氏(62才、代表取締役・社長執行役員・兼・営業本部長)が就任した。社長が営業本部長を直々に兼任する例はそれほど多くないと思われるが、2018年3月期の業績は連結経常利益が前期比77%減。いわば陣頭指揮の体制で、「現場ファースト」「営業力と商品力を兼ね備えた会社をめざす」と就任の抱負を語った(6月18日:共同会見)。

◆機能性などに高い評価をいただいてきた分、甘えのようなものがあった

 「2015年度から17年度までの前中期計画は、数値目標は公表していないが、販売数量、コスト低減などの部分で未達成だった。また、営業部門での負荷の軽減といった面も十分ではなかった」

 「最近、あるお客様から言われたことだが、商品力はあるのに、ここ数年、営業力が落ちているのではないか、と。まさに私もそう思う。だから、社員の皆さんには、もう一度、数字に対する執着心とか、情報に対する敏感さとか、ガツガツしているぐらいの積極さを取り戻すようお願いしている。多分、これまで商品力が強く高い評価をいただいてきた中で、売れた時代も長かった中で、そこに対する甘えのようなものがあったと思う」

◆部署間のレスポンスもより敏感にし営業部門の量と質の向上をはかる

 「こうした意味では、営業所、ショールームの所長の役割が重要になってくる。マネジメントがしっかりしていて、管理ができて、コミュニケーションが取れているところはうまくいっている。だから、もう一度、マネジメントやコミュニケーションを大切にするようにと言っているところだ」

「さらに、現場の効率を高める体制作りや、営業の負荷の軽減といった部分の構造改革は、来年4月を目指して進めている。お客様からの様々な依頼がすべて営業を通して入ってくる中で、バックヤードとの連携がどれだけとれているかは、ショールーム・営業所によって格差がある。見積もりを行うなどの専門職とともに、営業職は営業に徹して、訪問件数を上げるとか、お会いする設定を多くするとか、余計な負荷の軽減を考えている。営業の量と質の向上になる」

 「また、現場と本社とか、バックヤードと現場といった部署間のレスポンスもより敏感にし、スピード感のある仕事ができるシステムを構築していく」

◆商品力も拡充し「STEDIA(ステディア)」などで新展開

 「当社のシステムキッチンの代表的なブランドとして35年近く親しんでいただいた『クリンレディ』をフルモデルチェンジし、高機能性にデザイン性を加えた新たなブランドとして『STEDIA(ステディア)』を開発した。会社全体が新たな気持ちで取り組む上で、新しいネーミングとともにやっていく。この新ブランドによって営業力も強化されるし、営業力と商品力を兼ね備えた中で、新しい展開をしていきたい。また、『CENTRO(セントロ)』は、高級・高価格帯の代表ブランドとして『S.S.』をモデルチェンジし、2月に生まれたブランドだ」

「販売数量でみると、昨年度は中級品が前年対比で101%となり、普及品は同じく106%、高級品は同107%となった。数量でいえば全体に伸びている。会社としての経営を考えると、今後は中高級品を伸ばして行きたい」

◆イタリア製の超高級ブランド「Valcucine(ヴァルクチーネ)」は商品価値を提案

 「一方、ハイクラスの超高級ブランドとして導入したイタリア製の『Valcucine(ヴァルクチーネ)』は、いま述べた普及品・中級品・高級品のラインナップとは別のところにあり、富裕層向けの中でも超富裕層向けと位置付けている。これをクリナップとしてどう販売するのか、私も1週間を超える研修に行ってきたほどで、『Valcucine(ヴァルクチーネ)』という超高級品に感銘したお客様に買っていただきたい。こうした取り組みを積み重ねることで、クリナップというブランドに対する評価を一層高めることができると思う」 

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