イオレは底値圏、19年3月期減益予想の織り込み完了

株式市場 銘柄

 イオレ<2334>(東マ)は団体活動を支援するデータカンパニーで、グループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」などを展開している。19年3月期は営業戦略転換で減益予想としている。株価は安値更新の展開だが、減益予想の織り込みが完了してほぼ底値圏だろう。

■団体活動を支援するデータカンパニー

 17年12月東証マザーズに新規上場した。団体活動を支援するデータカンパニーである。17年7月には凸版印刷<7911>と資本業務提携している。

 無料のグループコミュニケーション支援サービス「らくらく連絡網」運用を主力として、アルバイト求人サイト「ガクバアルバイト」「らくらくアルバイト」運用、および広告配信・マーケティング調査向けDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)と連携したDSP広告サービス「pinpoint」も展開している。

 主力の「らくらく連絡網」は団体活動を支援する日本最大級の連絡網サービスで、17年9月末時点の会員数は669万人、アプリ会員数は138万人、有効団体数は38万団体に達している。

 広告収入、送客成果報酬、広告主からのサービス収入が収益柱である。なお「らくらく連絡網」は、学校関係など一部の団体活動が終了する年末から3月末に会員数および団体数が減少し、新学期が始まる4月から6月に会員数および団体数が増加するという季節要因があるとしている。

■19年3月期は営業戦略転換で減益予想

 19年3月期の非連結業績予想は、売上高が18年3月期比19.8%増の18億57百万円、営業利益が86.9%減の22百万円、経常利益が86.8%減の20百万円、純利益が87.2%減の11百万円としている。

 DSPを中心とする運用型広告拡大の流れを受け、営業戦略および営業体制を、自社メディア広告から、DSP広告サービス「pinpoint」および他社メディア運用型広告に転換する。この影響で自社メディア広告販売が減少して粗利が微増にとどまり、人件費や広告宣伝費が増加して減益予想としている。

 今後の成長戦略として、強みのある求人広告・採用広告で運用型広告の実績を、競合他社に先んじて確立することを優先し、規模の拡大によって利益が回復する見通しとしている。

■株価はほぼ底値圏

 株価は安値更新の展開で7月17日の1436円まで下押した。7月19日の終値は1451円、今期予想PERは約287倍、時価総額は約33億円である。

 17年12月IPO時の高値5320円の4分の1水準まで下落した形だが、19年3月期減益予想の織り込みが完了してほぼ底値圏だろう。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る