相場は終着駅が近づいたら途中の景色は忘れるべし=犬丸正寛の相場格言

■相場は終着駅が近づいたら途中の景色は忘れるべし

 テレビドラマにもなっている、原作・森村誠一氏の『終着駅シリーズ』。片岡鶴太郎さん演じる牛尾刑事役は味がある。終着駅には、行き止まりと共に新たな出発がある。相場もまた同じである。相場の場合は、「決算期」がひとつの終着駅にあたるものだろう。

 新しい決算期、たとえば3月期決算会社の場合、4月からの新年度入りと共に、終着駅へ向かって、新しい旅がスタートする。途中、車窓を流れる山河の風景のように、アナリストの予想で業績の風景が変わる。相場はその風景の移り変わりに一喜一憂して、時には大きく動く。いわゆる、「アナリストの投資判断引上相場」といわれるものである。

 しかし、投資判断の情報は残念ながら、大口投資家が優先され、小口の一般投資家には、なかなか風景を楽しむことは難しい。それでも、年4回発行の四季報では、すべての銘柄を公平に途中の風景を見せてくれる。そこで、投資に当って大切なことは、途中の風景(業績の変化)に目を輝かせることは大いにあってよいことである。しかし、終着駅が近づいてきたら、降りる準備が必要であることを忘れてはいけない。

 仮に、途中、その銘柄が期初予想を大きく上回る数字になったとしても、期末(終着駅)の1株利益が小さく、配当も小幅ということでは、PERや利回り買いができない。投資の終着駅である決算期末は投資採算が重要なのである。くれぐれも、途中の美しい風景にいつまでも浸らないで終着駅では降りる準備を忘れないことである。

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  2. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…
  3. ■節約志向が市場を動かす?  日本の消費者は、節約志向と低価格志向を持続しており、これが市場に影響…
  4. ■投資家の心理を揺さぶる相場の波  日米の高速エレベーター相場は、日替わりで上り下りと忙しい。とく…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る