綿半ホールディングスは売り一巡して反発期待、19年3月期1Q増益で通期も増益予想、株主優待制度拡充

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 綿半ホールディングス<3199>(東1)はスーパーセンター事業、建設事業、貿易事業を展開する持株会社である。19年3月期第1四半期は増益だった。通期も先行投資負担を吸収して増益予想である。なお株主優待制度(9月末株主対象)の内容を拡充する。株価は年初来安値を更新する展開だが、売り一巡して反発を期待したい。

■スーパーセンター事業や建設事業などを展開

 18年3月期のセグメント別売上高構成比はスーパーセンター事業65%、建設事業30%、貿易事業5%、営業利益構成比はスーパーセンター事業38%、建設事業42%、貿易事業18%だった。

■スーパーセンター事業はエリア拡大と新業態開発を推進

 スーパーセンター事業は、M&Aも積極活用したエリア拡大と新業態開発による売場面積拡大を推進している。

 綿半ホームエイドは長野県中心にスーパーセンター業態とホームセンター業態、綿半フレッシュマーケットは愛知県中心に食品スーパー業態、綿半Jマートは関東甲信越エリアにホームセンター業態を展開している。17年1月には綿半パートナーズを設立し、グループのスケールメリットを活かした商品仕入原価の低減やPB商品の共同開発・相互供給を推進している。
■建設事業は長尺屋根工事や自走式立体駐車場工事に強み

 建設事業は、綿半ソリューションズが建築・土木・住宅リフォーム工事、鉄骨・鋼構造物の加工・製造などを展開し、長尺屋根工事などの外装改修工事および自走式立体駐車場工事を強みとしている。

 長尺屋根工事では、工場の操業を止めずに老朽化した屋根の改修工事を行うWKカバー工法で特許を取得し、工場・倉庫・物流センター、商業施設、駅舎関連などに豊富な工事実績を誇っている。自走式立体駐車場工事では、柱の少ない認定品「ステージダブル」など国土交通省の認定を多数有し、大型SCの立体駐車場などの工事実績が豊富である。

■貿易事業はジェネリック医薬品向け天然原料などを輸入販売

 貿易事業は、医薬品・化成品向け天然原料輸入専門商社の綿半トレーディングが展開している。

 ジェネリック医薬品向けアセトアミノフェン(解熱鎮痛剤)や、メキシコ特産でヘアワックス・口紅などに使用するキャンデリラワックス(取り扱い数量国内1位)など特定分野に強みを持ち、製造部門はHMG(ヒト尿由来の排卵障害治療薬)原薬を製造して医薬品メーカーに販売している。

■スーパーセンターは既存店売上と店舗網拡大、建設は工事採算に注目

 スーパーセンター事業は既存店売上高、M&Aも活用した店舗網拡大戦略、新業態開発戦略が注目される。建設事業は基本的には第4四半期の構成比が高い季節要因だが、大型案件の動向や個別案件の工事採算動向で利益率が変動する。

■19年3月期1Q増益で通期も増益予想

 19年3月期連結業績予想は売上高が18年3月期比0.4%増の1028億10百万円、営業利益が4.1%増の24億41百万円、経常利益が4.1%増の26億04百万円、純利益が3.6%増の15億36百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間32円(期末一括)で予想配当性向は20.5%となる。

 第1四半期は、売上高が前年同期比3.9%減の237億15百万円、営業利益が6.8%増の4億49百万円、経常利益が12.2%増の4億80百万円、純利益が52.8%増の3億71百万円だった。

 スーパーセンター事業は8.9%減収で12.4%減益だった。17年12月の三鷹店閉店や天候不順による売上不調、富士河口湖店改装コストなどの影響で減収減益だった。建設事業は12.8%増収で黒字化した。受注残高は30.8%増加した。受注・工事とも順調だった。貿易事業は16.4%減収で40.2%減益だった。一部の医薬品原料の納品が第2四半期に期ずれした。

 通期ベースでは、スーパーセンター事業における既存店改装、建設事業における工場自動化、貿易事業における研究施設刷新など、総額35億円程度の設備投資を実行する。先行投資負担を吸収して増益予想である。通期予想に対する第1四半期の進捗率は売上高23.1%、営業利益18.4%だが、建設事業は第4四半期の構成比が高い収益特性がある。

 セグメント別計画は、スーパーセンター事業の売上高が3.1%減の649億20百万円で営業利益が18.5%増の15億86百万円、建設事業の売上高が8.1%増の327億50百万円で営業利益が2.9%増の15億38百万円、貿易事業の売上高が1.6%増の48億93百万円で営業利益が2.7%増の6億34百万円としている。

 スーパーセンター事業では、EDLP(エブリデー・ロー・プライス)戦略とEDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略の推進、物流センターの整備・増床、老朽化店舗の改装・業態転換などの施策を推進する。綿半パートナーズによる共同仕入効果も寄与する。18年7月には綿半Jマート富士河口湖店を綿半スーパーセンター富士河口湖店としてリニューアルオープンした。18年11月には岐阜県初出店となる綿半スーパーセンター可児店のオープンを予定している。これによりスーパーセンター事業の店舗数は、愛知・岐阜県および関東甲信に合計37店舗となる。

 なおスーパーセンター事業の月次売上(前年同月比、速報値)を見ると、18年7月は全店93.4%、既存店99.0%だった。全店売上は17年12月の三鷹店閉店が影響した。既存店売上は5ヶ月連続の前年比マイナスだった。猛暑の影響で飲料や季節品が好調だったが、前年に比べて休日が1日少なかった影響に加えて、利益高向上に向けたチラシ削減や商品点数絞り込みで客数が減少した。

■景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を目指す

 中期ビジョンでは基本方針に「時代の変化に対応し、景気に左右されない安定・成長性のある事業構造を創り上げる」を掲げ、多様性のある経営人財の育成、IT化推進による経営改革、M&A推進のための財務体質強化、長期を見据えた海外展開の準備に取り組んでいる。

 そして中期経営計画では経営目標値に、19年3月期売上高1000億円(スーパーセンター事業600億円、建設事業360億円、貿易事業40億円)、経常利益22億円を掲げている。売上高と経常利益は18年3月期に中期経営計画の目標数値を1年前倒しで達成した。

 事業別重点施策としては、スーパーセンター事業では新業態開発による売場面積拡大(3年間で4500坪)、既存店活性化に向けたサービスメニューとプロモーションの拡充、ロス率改善やオペレーション効率化による利益率向上、建設事業では問題解決に向けた提案型営業への転換による安定した高収益体質の実現、貿易事業では天然原料の新商品拡充と仕入・販売経路の拡大を推進する。

 スーパーセンター事業では「EDLP×EDLC」戦略を追求するとともに、近隣県への進出も含めた本格的な多店舗展開(当面の目標100店舗体制)に向けて、体制整備や新フォーマット店舗開発に取り組んでいる。新フォーマット店舗では、都市型スーパーセンター業態(700坪クラス)や都市型ミニスーパーセンター(300坪クラス)の出店を推進する。

■株主優待制度は毎年9月末に実施

 株主優待制度は毎年9月30日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して贈呈する。信州特産品や綿半ホームエイドPB商品詰め合わせなどから1点選択する。なお8月6日に株主優待制度の拡充を発表し、ブルーカードポイントを従来の2倍から3倍にポイントアップした。

■株価は売り一巡して反発期待

 株価は年初来安値更新の展開で8月7日に2801円まで下押した。その後は下げ渋る動きで、8月10日には2947円まで上伸した。

 8月10日の終値は2926円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS155円83銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1362円72銭で算出)は約2.1倍、時価総額は約289億円である。売り一巡して反発を期待したい。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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