【新規上場(IPO)銘柄】国際紙パルプ商事は長期経営ビジョン実現に向けた取り組みに期待感、底値買い妙味膨らむ

株式市場 IPO 鐘

 国際紙パルプ商事<9274>(東1) は、6月26日に東京証券取引所市場第一部に上場。同社は、1924年(大正13年)に創業。紙・板紙・紙加工品・パルプ・古紙・化成品・紙関連機械・包装資材・その他関連商品の売買及び輸出入ならびに不動産の保有、賃貸、倉庫業を行っている。

 国内拠点の拡充に加え、東南アジア・豪州・北米へ進出するなど、早くから海外・国内それぞれのマーケットを見据え、徹底した顧客志向で成長している。時代の変化にいちはやく対応し、合併等による事業領域の拡大を続け、現在は国内トップクラスの売上高を誇っている。創立100周年となる2024年をターゲットにした長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の実現に向け、事業領域の拡大と海外市場の開拓を念頭に、グループ全体の企業体質強化を目指した体制構築を進めている。

 今2019年3月期第1四半期業績実績は、売上高918億1900万円(前年同期比0.2%減)、営業利益3億8100万円(同2.1%増)、経常利益4億7500万円(同25.2%減)、純利益2億7400万円(同33.1%減)に着地。国内においては少子高齢化や電子媒体の普及等により、出版市場の縮小やチラシ・広告の紙離れが加速したため、国内拠点紙パルプ等卸売事業は10.0%の営業減益だったが、海外拠点紙パルプ等卸売事業が営業黒字に浮上、不動産賃貸事業が34.8%の営業増益で、営業微増益に着地。

 今19年3月期業績予想は、売上高3828億3500万円(前期比1.4%増)、営業利益22億4600万円(同4.9%減)、経常利益25億3500万円(同17.9%減)、純利益18億1300万円(同25.5%減)を見込む。年間配当予想は、普通配当8円に上場記念配当2円を加えた期末一括10円(同2円増)を予定している。

 株価は、6月26日高値470円とから同28日の上場来安値345円まで調整を挟んで7月12日に上場来高値478円と上昇。8月14日安値350円と売り直されて往って来い。公開価格340円に接近し、往って来いとなっており、二番底形成といった感がある。予想配当利回り2.8%と利回り妙味がソコソコある。創立100周年となる2024年をターゲットにした長期経営ビジョン「GIFT+1 2024」の実現に向け、事業領域の拡大と海外市場の開拓を念頭に、グループ全体の企業体質強化を目指した体制構築を推し進めているが、企業間の事業連携による戦略的な取り組みや、ICTなどでの新たなイノベーションに向けた取り組みなど、周辺事業の拡充と海外進出の加速、M&Aによる加工事業の強化に対する期待感がある。ここから底値買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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