プレミアグループは高値更新の展開、19年3月期大幅増収予想

 プレミアグループ<7199>(東2)は、自動車ローンや自動車保証の自動車金融サービスを中心にオート関連サービスを展開している。19年3月期は営業費用増加などで最終微増益にとどまるが、大幅増収予想である。株価は第1四半期業績を好感する形で急伸し、上場来高値更新の展開だ。上値を試す展開が期待される。

■自動車ローンなど自動車金融サービスが主力

 中古自動車のオートクレジット(自動車ローン)や、自然故障による修理費用を保証するワランティ(自動車保証)などの自動車金融サービスを主力として、オート関連サービスを展開している。18年3月期の売上構成比はクレジット事業76%、ワランティ事業23%、その他事業1%である。

 成長戦略として、オートクレジットの積み上げ、成長ドライバーとしてのワランティの強化、整備・板金などアフターマーケット分野への展開、海外事業(タイおよびインドネシア)の拡大を推進している。

 8月14日にはUcarPAC(ユーカーパック)との協業による中古車買取サービスの開始を発表、8月15日にはパーク24<4666>のクレジット決済サービスとの営業連携開始を発表した。
■19年3月期1Q大幅減益だが通期は最終増益予想

 19年3月期連結業績(IFRS)予想は、営業収益が18年3月期比17.4%増の106億39百万円、税引前利益が1.9%減の19億42百万円、親会社所有者帰属当期利益が3.7%増の13億41百万円としている。配当予想は18年3月期と同額の年間85円(第2四半期末42円50銭、期末42円50銭)で、予想配当性向は38.4%となる。

 第1四半期は営業収益が前年同期比15.1%増の25億42百万円、税引前利益が56.5%減の3億50百万円、親会社所有者帰属当期利益が57.8%減の2億34百万円だった。

 営業強化や加盟店との関係構築深化などの効果で、クレジット事業が14.9%増収、ワランティ事業が14.8%増収と伸長した。クレジット取扱高は18.0%増の314億円、クレジット債権残高は18.9%増の2165憶円、クレジット加盟店は14.8%増の1万8901社、ワランティ取扱高は23.7%増の7億35百万円となった。またクレジット延滞債権残高率は0.98%と低水準である。

 税引前利益は営業費用の増加(4億30百万円増加)で大幅減益だったが、このうち会計基準変更(IFRS第9号適用による保険取引の会計処理変更)の影響として貸倒引当繰入額(3億11百万円)があり、この影響を除くと本業に係る税引前利益は6億61百万円で46.5%増益だった。

 通期は、人員増などに伴う営業費用の増加で税引前利益は微減益予想、親会社所有者帰属当期利益は微増益予想だが、アセット積み上げでオートクレジット事業、ワランティ事業とも伸長し、大幅増収予想である。営業体制強化やサービスラインナップ拡充などの施策を推進し、周辺事業として第3四半期に個人向けオートリース事業も開始する予定だ。

 第1四半期の進捗率は営業収益23.9%、税引前利益18.0%、親会社所有者帰属当期利益17.4%で、利益進捗率が低水準の形だが、その他収益として保険入金を第2四半期(5億円)と第4四半期(5億80百万円)に計上する。このため会計基準変更による影響は、通期では約1億80百万円の費用増加影響(貸倒引当繰入額12億60百万円―保険入金10億80百万円)にとどまる見込みだ。

■株価は高値更新の展開

 株価は第1四半期業績を好感する形で急伸し、上場来高値更新の展開だ。8月30日には4265円まで上伸した。8月30日の終値は4250円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS221円29銭で算出)は約19倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間85円で算出)は約2.0%、時価総額は約258億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインだ。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る