【材料でみる株価】<加賀電子>富士通エレクトロニクスを子会社化し世界に伍して戦える企業を目指す

材料でみる株価

◆3年後メドに100%取得、売上高5000億円級になり国内トップに迫る

 加賀電子<8154>(東1)は9月中旬から断続的に戻り高値を更新する相場になり、20日は一時2385円(35円高)まで上げて5日続伸基調となっている。2400円台に迫ってきた。

 さる9月10日、富士通エレクトロニクス(横浜市、非上場)の段階的な株式取得と2021年12月をメドとする100%子会社化を発表し、18日にはアナリスト向けの説明会を実施した。本件買収により、加賀電子は売上高5000億円規模の企業グループを形成することとなり、売上高の規模では現在業界1位のマクニカ・富士エレホールディングス<3132>(東1)と肩を並べる有力企業になる。

 富士通エレクトロニクスの現在の大株主は富士通セミコンダクター(100%保有)となっており、加賀電子は、これを3段階に分けて取得する。第1段階は2019年1月1日を譲渡実行予定日として議決権所有割合の70.0%を取得。第2段階は同じく2020年12月28日を予定日として議決権所有割合の85.0%を取得。第3段階は同じく2021年12月28日を譲渡実行予定日として議決権所有割合の100.0%を取得する予定だ。取得価額は205億4300万円の見込み(後段参照)とした。

◆加賀電子のEMS事業と富士通エレのネットワーク技術などで相乗効果めざす

 加賀電子は、独立系のエレクトロニクス総合商社としての強みを活かした電子部品・半導体販売にはじまり、多品種・小ロットを得意とするEMSビジネス(電装基板の製造受託サービス)、さらには、顧客製品の企画・開発や設計支援、ソフトウェア・映像制作、ネットワークソリューションを中心としたシステムサポートなど、国内外を問わず多様なサービスを提供している。

 一方、富士通エレクトロニクスには、富士通グループとしてのバックボーンがあり、IoT関連分野での高度な技術力、ソリューション対応力、グローバルサポート体制などがあり、広範な顧客基盤をもつ。
 
 今回の富士通エレクトロニクス株式の取得は、「中期経営計画2018」(15年11月公表)で描く成長戦略の一環として実施するもので、両社の強みを相乗的に発揮することにより、(1)電子部品・半導体ビジネスのシェア拡大、(2)EMS(受託製造)ビジネスの事業規模拡大、(3)両社事業協業にともなう経営効率の更なる向上、などの効果を目指す。

 同社・門良一代表取締役社長は、「中期経営計画で目指す「我が国業界No.1企業」としての経営基盤を固めるとともに、これを足場にして、売上高「兆円」級の海外競合企業とも伍して戦える「世界に通用する企業」としてさらに成長」すべく、「引き続き、グループ経営の規模および質の両面から向上に取り組んでいく」とした。

◆取得価額は205.4億円を予定し「負ののれん益」が発生する余地も

 各段階における取得価額は、契約に基づき、富士通エレクトロニクスの連結純資産額の変動等を調整した金額となる予定。富士通エレクトロニクスは、第1段階の株式譲渡実行日に先立ち、2019年3月期の期中に100億円の現金配当を実施する予定。取得価額の見込総額(本件現金配当考慮後)は205億4300万円。この資金は、加賀電子が保有する自己資金、および新規のブリッジローン(つなぎ融資)により調達する予定とした。企業買収にともなう「のれん代」は発生しない見通しで、むしろ「負ののれん益」が発生する可能性があるとした。

 当面の業績見通しは、中期経営計画2018(2015年11月4日付)の最終年度の数値目標である2019年3月期の連結売上高を2900億円(18年3月期は約2360億円)、経常利益を100億円(同88億円)に目線をおいている。

 この期中に、富士通エレクトロニクスの第1段階の株式取得(19年1月1日を譲渡実行予定日として議決権所有割合の70.0%を取得)が行われると、同社の第4四半期業績が加賀電子に連結されることになり、この数値目標はおおむね達成できる見通しだ。(HC) 

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